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私はヴァンダーマーさんが乗った車を見つめることしかできないまま、コンクリートの地面にへたり込んでいた。

先ほどのヘリは車を追い、そのまま去った方向に飛んでいく。


「結局誰も、」

助けてくれないの。そう言いかけるも、止まる。
少し前にヘリコプターが止まったのだ。去ったはずのヘリコプター、先ほどの方向を見れば豆粒大ほどの黒い点が見える。

目の前のヘリコプターはまた別か、とまた地面を向くと、ガチャ、と鍵の開く音がした。

そしてそのまま扉が開き、明るい茶色の革靴が目の前に降りてきた。


「ふー。きみ、大丈夫?怪我だらけだけど」


革靴から視線を上げる。

男は、革靴、スラックス、防弾チョッキ、明るい青色のカッターシャツ、そしてその腕元をまくっていた。
そして何よりも特徴的なのは、その上。


「…鬼?」

「ん?ああ、そ、鬼。」


鬼の顔を模した真っ黒なマスク。ところどころ青いラインが入っている。

眼の部分はたくさんの穴が開いており、あちら側からは私のことが見えているのだろうと思う。


「さっきそこで襲撃事件があって、多分さっき君が一緒にいた…、ヴァンダーマーさんっていう人なんだけど。その人とその一味が犯人なんだよね。だからいっぱい警察が出てて」


そう言って、なんかされた?と言いながら、胸元のポケットからメモ帳を取り出し、ペンをノックした。

「悪い人なんですか?あの人って」
「んー、そうね、ギャングだし」


ギャング、と私は口の中で繰り返す。

「悪いやつじゃないんだけど、悪いことをするやつかなあ。したやつ、でもいいけどね」


違いがよくわからないが、ともかく、ヴァンダーマーさんが捕まって然るべきひととは思えなくて、鬼の人にお願いをした。


「あの、ヴァンダーマーさん、さっき私のこと助けてくれようとしてたので、助けてあげてくれませんか」

そう言うと、鬼の人は少しの間黙っようた。鬼のマスクのせいで表情が分からない。声もなんだか抑揚がなく、鬼の人の思っていることがまるでわからない。

信用で言えば、この人よりもヴァンダーマーさんの方が信用できる。今のところは、そうだ。


「何か困ってたの?」


そうきょとんとした様子で聞かれる。そっか、確かに。えーっと、と少し気まずいような気持ちになる。


「その私、記憶喪失、で…」


おずおずと男の顔を見るが、男は平然としていた。若干微妙な顔。

「…うわ出た。記憶喪失かー…。ちょっと待ってください、連絡しますね」

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245(プロフ) - かとを74さん» コメントありがとうございます!モチベが倍になりました。とても嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします🥳 (3月28日 11時) (レス) @page23 id: 223c5bae8c (このIDを非表示/違反報告)
かとを74(プロフ) - 更新される度嬉しいです! (3月26日 17時) (レス) id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
245(プロフ) - とくさん» ありがとうございます…!修正いたしました🙇🙇今後ともよろしくお願いいたします☺️ (1月6日 17時) (レス) id: 223c5bae8c (このIDを非表示/違反報告)
とく - めちゃくちゃ面白いです!!更新楽しみに待ってます…!!(ストリーマーグラセフだったのは前で、今はストリートグラフィティ・ロールプレイ、略してストグラのようですよ…!) (12月25日 22時) (レス) id: b931af8e9b (このIDを非表示/違反報告)
カフェラテ好きののあ。 - 8話でこのクオリティ。これは神作品の予感... ! (12月20日 11時) (レス) @page8 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:245 | 作成日時:2023年12月7日 3時

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