僕達、今から逃げてきます。 (ページ2)

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中村嶺亜side
俺、もうすぐ死んじゃうな。

周りでは、メンバーが、名前を呼びながら泣いてくれてる。

人の最期ってこんな感じなんだ。

この話が始まったのは、今から1年前のこと。

ーーーーー回想
克「嶺亜、また顔しかめてるよ。」

嶺「え？」

まただ。最近妙に心臓あたりが痛い。その度に顔をしかめてるらしく、メンバーに注意される。

病院行った方がいいのかな？

～ㅇ～ㅇ～
医「今日は心臓が痛いということですが、詳しく聞かせてもらえますか？」

嶺「何となくズキズキする感じで…。」

そのまま検査をすることに。なんか、不安。

～ㅇ～ㅇ～
医「中村さんは心臓に障害があります。これから先、踊るのは難しいですね。」

嶺「アイドルやめろってことですか？」

医「はい。」

急に病気って言われて、アイドル無理って言われて。

克樹たちになんて言おう。

正直に言ったらどんな反応するんだろう。

医「中村さん、一応薬を出しておくので、痛くなったりしたら飲んでください。」

そこからどう家に帰ったかはわからない。

でも、いつの間にか、家の目の前にたっていた。

嶺「何で、俺なんだよ。他にもっといるだろ。」

ただ、ひたすらに悔しくて。

でも、この時、俺決めたんだ。

いなくなるのは、アイツらにちゃんと嫌われて、万が一の時が来たとしても、アイツらが泣かないように。

ちょっと悲しいけど、アイツらにとって一番いい道を…。

そう決めた。