74 ページ24
一体こんなに、どこから出てきたのか。
毛布や、クッションで、周りを整えられて。
埋もれるように横になり、車が動き出す。
もし気分が悪くなったら、遠慮せず言うようにと。
きっちり、念を押された。
小さめの、車内に流れる音楽をかき消すように。
「ゲホゲホッ、ごほ、げほ…ッ」
自分の咳が、何度も響く。
マスクをしていても申し訳なくて、毛布に顔を埋めて。
さすがに、焦っているのか。
ぎゅっと瞑ったまぶたの裏に、暗闇に落ちる映像が流れる。
眠ってもいないのに、うなされていたみたいで。
「…和くん？ 大丈夫？」
声を掛けられ、ぱっと目を開ける。
「あ…、だいじょうぶ、ごめん…」
「向こうの病院手配しておいたから、着いたら行きましょうね」
点滴でもなんでも、してもらおうと微笑まれて。
すこしだけ、気持ちが軽くなった。
あとは、こんな姿で４人に会って。
余計な心配をさせてしまうことが、気がかりだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 769人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちえさん(プロフ) - あんずさん» 優しいお言葉、ありがとうございます。まさかあんずさんが引き出しを御存じだったなんて・・。(///∇///)・・。はい。無理なく頑張りましょう。 (2019年2月3日 23時) (
レス) id: 434e2e22a6 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ちえさんさん» 再びのコメントありがとうございます！ちえさんの引き出しも、拝見しております。お互い無理なくマイペースに書いていきましょう(*^^*) (2019年2月3日 17時) (レス) id: b23ea6b68a (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - みるくてぃーさん» はじめまして。相変わらず体調不良のお話ではありますが、優しい5人の姿が書ければと思います。応援ありがとうございます(*^^*) (2019年2月3日 17時) (レス) id: b23ea6b68a (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - こんにちは、あんずさんのお話、とても好きなので有りがたいです。あんずさんのペースで構いません。更新楽しみにしています。 (2019年2月3日 11時) (レス) id: 434e2e22a6 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 初めまして！このお話とても好きです。活動休止が発表されて辛い時期だと思いますが、更新を続けてくれるということがとても嬉しかったです。ずっと応援しています。あんずさんのペースで頑張ってください！ (2019年2月3日 1時) (レス) id: 4ece919f55 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんず
| 作成日時：2018年8月11日 18時
