一緒に帰ろう (ページ5)

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「うん、脱水はかなり改善されてきています。点滴が終わったら、帰って大丈夫ですよ」

「ありがとうございます…」

「残った目眩は、貧血のせいだと思いますから。出来る限り、横になって休んでください」

「…はい」

先生の言葉からして、まだ目眩のするらしい君は。

点滴のつながっていない左手を、目の上にのせて。

ふぅっと大きく息を吐いた。

「和くん、気分悪い？」

「だいじょぶ。…点滴、あとどんくらい？」

「４分の１だから、15分ってとこかな」

「15分あれば、復活できそーだわ…」

もう一度、ふぅっと息を吐く。

「…翔ちゃん」

「ん、なに？」

「もう大丈夫だから、早く帰って寝てください」

「え？」

「心配…かけてごめん。でもほんと、大丈夫だから」

「…分かった。無理すんなよ」

「うん、ありがと…」

すごく気を遣う君だから、俺がいたら無理しちゃうかなと思って。

頭を撫でて、医務室を離れる。

「武さんが、送ってくれるんだろーなぁ…」

一緒にいられる武さんのポジションが、ちょっと羨ましかった。