一緒に帰ろう (ページ27)

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身体を揺らして咳き込む君を、そっと抱き起こして。

「にのは、相葉くんのこと心配かもしれないけど」

ベッドに座り、ぎゅっと抱きしめて背中をさする。

「俺は…お前の方が、もっと心配だよ…」

小さくつぶやくけど、返事はない。

そのうち、咳が治まった君の力が抜けて。

ふにゃりと肩にかかる重みと、首の後ろにかかる荒い息に。

不安になって、身体を離す。

さらに赤くなった顔で、はぁはぁと必死に呼吸していて。

力の入らない身体を横にすると、うっすらと目を開けた。

「にの、しんどい？」

「はぁっ、はぁ…」

涙でいっぱいの君の目は、焦点が合っていないようで。

俺の声も、聞こえているのか分からない。

「夜間救急、行こうか？」

「はぁ……や…っ」

「このままいても、つらいだけだよ」

あまりに熱い身体をさすりながら、優しく声をかけると。

重たそうに、両手をこちらに上げる。

抱っこ、と捉えていいだろうか。

「ん、行こ」

その手をとり、ふわりと抱え上げ。

かばんと、近くに掛けてあった厚手のカーディガンを掴み。

玄関先にある、車のキーを引っかけて。

深夜の、駐車場へと向かった。