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「はぁ、はぁ…」
タオルの効果で、少しだけ咳が治まり。
「はい、飲めそう…？」
肩で息をしながら、ありがと、と口を動かす。
ああ、声なんか出さなくてもいいから、無理はしないでくれ。
隙をついて飲ませた薬が、徐々に効いてきた。
「はぁ…っ、げほごほっ」
依然赤い顔で、呼吸は荒く。
時折激しく咳き込む状態。
苦しいからか横を向くため、冷えピタにシフトしたものの。
「39.2度…」
あまりの高熱に、すぐにぬるくなってしまう。
「しょーちゃ…」
だいぶ咳き込んだため、また少し掠れた甘い声で俺を呼ぶ。
「ん、熱？ ９度超えしてるよ」
「ふぁ、まじか…」
体温計を見せると、いじけたように枕に顔を半分うずめる。
「あした、は…？」
「あ、やべ。忘れてた」
そうだ、連絡くれるって言ってたんだ。
さっき放り投げたままの、携帯を拾って開く。
３件のメールのうち、２件目が武さんからだった。
――――――――――――――
お疲れさまです。
明日は皆さん10時半入りで
雑誌の撮影だけになりました。
10時頃迎えに行きますので
和くんを頼みます。
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作者名：あんず
| 作成日時：2017年9月10日 21時
