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メールは、別れたすぐ後に来ていた。
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翔くんのかばんのポケットに
和の咳止め入れといた。
頓服だから解熱剤と併用できるよ。
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要件のみの、短文。
きっと、言い損ねたんだろう。
ていうか、マジか… いつの間に…
急いでかばんをあさると、小さな袋があって。
中には、あの時と同じ、４錠の薬が入っていた。
一緒に、１回２錠、と書かれた小さなメモも。
「にの、潤が薬くれたよ」
即効性はわからないけど、すぐに飲ませよう、と思ったが。
「ゲホッ、ん…ッ、ゴホゴホッ」
ちらりとこっちを見たから、聞こえてはいるだろうけど。
あまりに咳が酷過ぎて、とても飲める状態じゃない。
涙目で身体を揺らす、君の背を懸命にさするも。
苦しそうに、顔を歪めていて。
「げほげほっごほっ……うっ」
とうとうえずき始めてしまう始末で。
「ちょ、ちょっと待ってて」
そうだ、即効で、咳が止まる方法…
風呂場へ走り、タオルをお湯で濡らして。
昼間見たとおり、君の口元にあてる。
「大丈夫だからなー。ゆっくり呼吸してー」
なんとかこの蒸気で、治まってくれ…
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作者名：あんず
| 作成日時：2017年9月10日 21時
