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「さて、もう季節も秋ということで」
「寒くなってきましたねー」
「げほ、げほっ」
恒例のオープニングトーク。
本番中だけど、既に咳きこんでいて。
きっと、お客さんでも気づいている人はいる。
「そんなこんなで二宮さん」
「はい？ けほ…っ」
「あなたずっと咳してますよね」
俺が話を振れば、意図を理解したメンバーも乗っかってくれて。
「まさかの風邪ですか？」
「冬にはまだ早いですよ？」
「けほんっ、流行は先取りが大事なんで」
「さすがっ」
「オシャレ番長！」
「くふふ…」
ギャグっぽく話を進め、智くんが笑ってくれて。
無事にオープニングトークが終了。
その後の収録でも、何度か咳き込む状況があったけど。
はじめに振っておいたおかげで、笑いにもっていくことができた。
そして収録が終了して。
予想通りと言えば予想通り。
楽屋の扉を閉めた直後、異変を感じて振り返ると。
俺の胸元に、君がふらりと倒れこんできた。
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作者名：あんず
| 作成日時：2017年9月10日 21時
