一緒に帰ろう (ページ16)

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「翔くん、ちょっと和頼む」

「お」

薬と水を用意しに行った潤に代わり、君のそばに寄る。

熱をもった額を撫でると、うっすらと目を開けて。

「しょーちゃ、ぁりがと…」

「ん？俺なんもしてないよ」

「背中…」

「ぁ…なんか、見てらんなくて」

何もしてやれなくて落ち込んでる俺の心情を読み取ったのか。

目を細めてかすかに笑う。

「今日、さ…。俺んち、泊まって…？」

「へ？」

「たぶん…これで限界、だから…」

「…２本目？」

「んふ。頑張りますけどね…」

「おい、喋りすぎ。苦しくなんぞ」

同じ錠剤と水を持った潤が、隣にしゃがむ。

言い方は怖いけど、言ってることは酷く優しい。

「ごめ…」

「ほら薬。身体起こせるか？」

「ん…」

飲み込んだところで、再びスタッフさんが呼びに来た。

体調は正直、よくなったようには見えない。

「いけるか、和？」

「…ぅん」

潤に支えられて立ち上がり、スタジオへ向かう。

さっきほどじゃないが、苦しそうに咳を繰り返して。

「出だし、触れるからな」

気持ちだけでも楽になるように、そう伝えた。