一緒に帰ろう (ページ12)

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「落ち着いた？」

「ん、ありがと…」

しばらくして、咳が治まって。やんわりと笑えるようになった。

潤は、いまさらお姫様抱っこに照れたようで。

少し離れたところから、こっちを見ている。

「熱は？どんくらい？」

「たいしたことない…」

「何度？」

「…37.2度」

「微熱だな…」

「熱は、いいんだけど…。咳、が…止まんなくて」

「うん、咳酷いね」

「このままだったら、さ…。出だし、触れてほしいんだよね…」

「ん、分かった分かった」

背中を撫でていると。荷物をごそごそしていた潤が、君の前にしゃがんで。

白い錠剤を２つ、丸い手に握らせる。

「１回２錠。咳、ちょっとはマシになると思うから」

「ん…」

「解熱剤じゃねぇから、無理すんなよ」

「ありがと、潤くん…」

頭をぽんぽんする潤に、上目遣いで答える君。

こらこらこら。そんな簡単に必殺技出さないっ。

「じゃ俺、楽屋の２人にも伝えてくっから」

「あ、おう」

どこまでも気が利く潤に手を振って。

水を買って、薬を飲ませる。

その間も頻繁に咳をする君が苦しそうで。

さする手を止めないまま、きゅっと薄い身体を抱いた。

「翔ちゃん…？」

「つらくなったら、絶対言えよ」

「…はい」