英雄ヒーロー3 (ページ38)

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英雄へ3 ページ38

引き取られた先には彼らがいた

彼らとは“サーヴァント”、英霊たちが出迎えた

Aはそれに驚くこともせずにただ目の前の事を見ているだけだった

最初は彼らと関わることもせず、部屋に閉じこもっており
そこにサーヴァント達が毎日その部屋を訪れては話をしたりしていた

言葉を交わすことはなかったが、それでもサーヴァント達は諦めなかった

時は流れAは4歳になり事件から一年

サーヴァント達とは徐々に距離が近くなっており、それと同時に幼稚園で2人の少年と関わることにもなった

サーヴァント達との距離が近くなった、とは前は話しかけても見向きもしなかったのだ

だが、時間を紡いでいくにつれて部屋に入る時にサーヴァントの姿を見てから再び窓の外を眺めるようになった

少しは興味を出してくれたのだろうか

幼稚園は4歳になって初めて通ったようで

最初は誰も近寄らずに1人だったが話しかけてくる物好きな少年達がいた

毎日毎日飽きもせずに話しかけてきていた

5歳になると初めとは比べ物にならないくらいに成長した

サーヴァント達に顔だけではなく、身体も向けて話を聞くようになったのだ

そして、質疑応答ができるように

好きなものはと聞くと

特にないと

空が好きなのかと聞くと

別にと

答えになっているようでなっていないが、今までと比べたら嬉しいものだ

そして引き取ってくれたポニーテールの男の人は聞いた

「きみの名前は？」

「..........A」

「上は？」

「..........わからない」

苗字を忘れたAは光のない目で床を見た

憶測では、両親を失ったショックで自分のいた場所を無くすために脳が忘れさせたのだろう

そんなに高度なことができるのだろうかと疑問にもつだろうが、そんな疑問すぐに解ける

「......きみは、何を見たんだい？」

「…ひかってた、こっぷ」

この答えで、疑問はすぐに解ける

“それ”は幼い子からしたらそう見える

が、知っているものから見ると

＿＿願望器「聖杯」にしか見えないのだ