英雄ヒーロー3 (ページ35)

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英雄118 ページ35

聞きたくもない事実

けれど自分の目に映ったのは紛れもないAで

あんなにも雪のように白い髪と肌はA以外見たことがないと緑谷は思った

緑谷｢っ昨日からずっとああですかｯ…？｣

ダ｢うん。そうだね
けれど、運ばれて来た時に比べればマシさ｣

ダヴィンチは足を組み、コーヒーの入ったマグカップに口をつけた

ダ｢怪我という怪我すべてやってきたようなものだったよ｣

緑谷｢ッ……どうして、Aちゃんは…っ｣

ダ｢…あの行事が行われる前に、マスターと“ある事”をしていてね
それの副作用もあってって感じかな｣

緑谷｢副作用…？ある事って…なんなんですか｣

ダ｢それは本人から
私が話すのは副作用の方だ

おそらくマスターの身に起こった副作用は頭痛をはじめ、発熱、そして記憶の暴走だと見てほぼ間違いないだろう

記憶の暴走っていうのはそのままの意味だけど、例えば覚えていたことを忘れるとか、逆に忘れていたことを思い出す
それによって脳に大きな負担がかかってしまい頭痛や発熱を起こすんだけどね

それ以上酷くなると頭が混乱して、自分の意志とは違う行動をしてしまうのさ

マスターの場合、過去の出来事が蘇ってしまったんだろう｣

緑谷｢Aちゃんの過去…｣

緑谷は体育祭の昼休憩時にエミヤが呟いた言葉を思い出した

ーエミヤ｢マスターの過去は、あまり良いものではないからな｣ー

緑谷｢………ｯ｣

ダ｢おや？聞いていないのかい？｣

緑谷｢っ…1度も…｣

改めてAの事を何も知らないことに気付かされた緑谷

もっと無理矢理にでも聞けば話してくれたかもしれないと思うと後悔していた

ダ｢まあマスターも半分忘れているような記憶を話そうとはしないだろう
きみならわかるだろ？｣

それを見かねてダヴィンチは緑谷に声をかけたが、緑谷の俯いた顔は上がらず片手につくられた拳が緩むことはない

ダ｢ふむ……よろしい、ではこの私がお教えしよう！｣

緑谷｢へ……？な、なに、を…｣

ダ｢決まっているとも、英子Aの過去さ！
人の過去を本人の許可なしに教えるはどうかと思うが、そんなこと言ったら私たちはどうするんだってね！

それにきみなら、マスターも許してくれるだろう｣