英雄ヒーロー3 (ページ29)

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英雄112 ページ29

ｼﾞｬﾝﾇ｢あまり良い状態とは言えません…
ですが一命は取り留めていますので、そこはご安心を｣

アルトリアはジャンヌを見て頷かれると立ち代るようにして扉の中へ入っていった

ｼﾞｬﾝﾇ｢そんな暗い顔なさらないでください
英子さんが見たら心配されますよ？｣

飯田｢っそうだぞ！それにまだ試合は残っている！
Aくんが起きたら驚かせられるよう、努めよう！｣

麗日｢っデクくん！｣

緑谷｢…っそうだね！頑張るよ！｣

俯いていた顔を上げ、気持ちを切り替える緑谷を見て一同は少し安心した

ｼﾞｬﾝﾇ｢さ！戻りましょう
出久くんは次試合でしたね。途中まで一緒に行きましょうか｣

緑谷｢あ、はいっ｣

麗日達と別れ、控え室に向かいながら
緑谷はジャンヌと2人きりになる

緑谷｢…実際、どうなんですか｣

ｼﾞｬﾝﾇ｢…嘘はありません
現に回復能力(スキル)で治療を進めましたが、今ここにいる私たちより詳しいサーヴァントに診てもらうしかないと判断しマスターを家に運ばせました｣

ジャンヌは少し暗い顔をしながら緑谷に話していく

ｼﾞｬﾝﾇ｢マスターを心配してくださるのは私にとっても、サーヴァントにとっても嬉しいことです

ですが今は自分のことを、出久くん
きっとマスターもこの場にいたら貴方にそう言う筈ですよ｣

緑谷｢はい……｣

あの試合だけて初めて見ることばかりだった

あんなにAだけで動けるのも、血を流すのも、倒していくのも
全て緑谷が見たことないものだった

血を吐いて倒れた姿を見て、体温が下がった感覚

いるのが当たり前になっていたAの存在が本当に消えると思った

そうじゃないと一目、自分の目で見ようと向かったが会えずにモヤモヤしたままになってしまった緑谷にジャンヌは

ｼﾞｬﾝﾇ｢…大丈夫ですよ、出久くん！｣

緑谷｢えっ…？｣

ｼﾞｬﾝﾇ｢ふふ。マスターはいなくなりません
そんなこと、私たちがさせませんから｣

ジャンヌは緑谷の前に立ち、彼の手を握り笑顔で安心させる

ｼﾞｬﾝﾇ｢マスターは貴方を置いていきませんよ
次の試合、不安でしたらマスターの言葉を思い出してください。言葉には力がありますから！｣

ジャンヌはバッと握っていた手を離し、それでは私はここでと別れてしまった

ー立派な君の力だー

緑谷｢…っ頑張るよ、Aちゃん…！｣