英雄ヒーロー3 (ページ33)

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英雄116 ページ33

両儀はギプスで固定されている右腕を指差す

体育祭での緑谷と轟の試合

轟相手に何度も同じ指で、腕で個性を酷使しバキバキに

試合が終わると直ぐにリカバリーガールの元へ運ばれ手術が行われた

治癒にナイチンゲールや他のサーヴァント3名がリカバリーガールの手伝いにいたが
他の生徒の治療とリカバリーガールの希望により、緑谷に能力(スキル)を使わなかったようだ

両儀はドアノブに手をかけ緑谷を扉の前に促す

両儀｢ようこそ緑谷
英霊達の住処カルデアへ｣

扉の向こうは家というよりは何処かの研究所施設のようだった

両儀「驚いたか？」

緑谷「驚かない方が無理かとぉ……」

緑谷は驚きすぎて腰が抜けそうになる

緑谷「こ、ここって本当に、Aちゃんの家なんですか…？」

両儀「俺たちがいるんだからそうに決まってるだろ
変なやつだな」

緑谷「いや、だって…Aちゃんと別居してる可能性も…」

両儀「…本当に変わってないな」

緑谷「えぇ！？」

とりあえず着いてこい、と両儀は進み出す

緑谷はその後ろを一生懸命追うようについていく

緑谷は少し怯えながら周りを見渡しながら歩いていくが、歩いていくにつれてサーヴァントの姿が一人、また一人と増えていく

普通に通路を歩いている者もいれば、食事をしている者もいる

他にも話している者もいれば、作業している者もいる

それぞれのサーヴァントが自分達と同じように暮らしていた

両儀「ここだ」

緑谷「ここって…？」

両儀と緑谷は1つの扉の前に辿り着いた

他の扉と変わっている点は、扉の大きさだ
普通の扉の2倍はある

両儀「俺はもう行くが、中にはちゃんと他の奴らもいる」

緑谷「待ってください両儀さん！ここって何が…」

両儀「……緑谷、お前が知りたいことだ」

緑谷「ぇ.....」

緑谷は知りたいこと

それはAのことだ

Aの試合が終わったすぐ後
血を吐いて倒れ1度も見ることなく家に運ばれていってしまった

あれから1日経った今日、どうなっているのかわからないままこの場所に連れてこられた訳だが…

両儀｢…開ければわかる｣

両儀は来た道を戻って歩いていく

その背中を静かに見つめる緑谷
心は穏やかではなく、落ち着きがない

緑谷｢っ………｣

緑谷は意を決して、壁に取り付けられているボタンを押し扉を開いた