【弱虫ペダル】山神より鬼のほうが好きなんです！Part3

ファンクラブ NO.107 ページ17

東堂side




「〜…で、ここは関係代名詞をつかって〜…。」


A「え。意味わかんない。」


「じゃあもう一回言うぞ？ここは〜…、」


A「あ！わかった！！こう！？」


「！そうそう！！あってるぞ、A！」


A「よっしゃあ〜！！次、次！」





一生懸命やっているAをみて、思わず頰が緩む。



自分でも『頭悪いから。』と言っていたが、理解しようとしているんだ。

一問一問確実に丁寧にやっていける。





A「？とーどー？」


「ん？あぁ、できたか？」


A「うん！みてみてー♪」





そのままAのクラスの教室を通り過ぎないで良かったと思う。



Aと2人なんて俺にとっては貴重な時間だ。

部活の途中だから後で福富に怒られるかもしれないがな。笑



今は幸せだから、まぁそれでもいいか。





A「…ごめんね、東堂。」


「ん？何がだ？」


A「部活中なのに、ひきとめたりして。」


「気にするな。Aがひきとめたのではなく、俺が好意できたのだから。」


A「…ありがとう。」






少し無言が続いて、Aのシャーペンを動かす音だけがガランとした教室に響く。




初めてだな、無言の空間が心地良いなんて。

無言の空間さえ、楽しく感じるなんて。



緩みそうになる顔をおさえると、Aが顔をあげ思いっきり笑った。





A「なんか楽しいね。」





俺にむけた笑顔があまりにも綺麗で。


俺と同じことを思っていたんだと思うと、無性に嬉しくなって。




抱きしめそうになって。

もどかしい気持ちにかられた。





A「あ、ごめん。無神経だった？」


「…いや。俺もそう思っていたよ。」


A「以心伝心？笑」


「だな。笑」





ふたりで顔を見合わせて笑った。

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