バターケーキ* ページ27
俺の中でのAさんの存在がでかくなるのに比例して、Aさんは俺にいろんな顔をするようになった。
大人っぽい年上って雰囲気とはまた違った少し幼い顔だったり、口を尖らせてはにかんでる顔だったり。
カフェの中、帰り道の週に2回じゃたりなくなってきてるのは俺の欲望が増えてきているからかな。
A「勉強?」
「うん。Aさん一応俺より年上だしさ、古典とか教えてほしいんだけど…、ダメ?」
A「一応は余計だよ。
…でも私の大学、あんまり頭良くないけどいいの?」
「平気。ほんとは勉強っていうのは口実で週末会いたいだけだから。」
A「っ、…もー、口実なら最後まで言わないの。」
「Aさん、顔赤い。笑」
傍からみればカップルなんじゃないかな、なんて調子のいいことを思ってる。
A「ちょっとレジいってくるね。」
赤い頬を冷ますみたいに手をあてていっちゃったAさんの顔をもう少し見たかったと思いながら、頷いた。
Aさんが遠くなってから、財布を覗く。
「(…やっぱ今月やべぇな…。)」
素直に金がない。
高校生の小遣いなんてたかがしれてるし、バイトもしてないから週に2回ケーキを食べるのはちょっとキツい。
…今日はコーヒーだけにするか。
Aさんの甘いケーキがあるから、苦いコーヒーが飲めていたわけであって、コーヒー単品となるとあんまり好きじゃない。
…なんて贅沢、今日は言ってられないか。
店長「はいっ、サービス。」
「えっ?」
渋々財布をしまって、注文しようとしたらカウンターに突然だされたシフォンケーキ。
びっくりして顔をあげると店長がニコニコ笑ってた。
店長「常連さんだから特別ね。」
「…いいんですか?」
店長「もちろん。Aちゃんの前でカッコ悪いところ見せたくないだろ。」
「じゃあお言葉に甘えて。笑」
俺、ここのカフェすげぇ好きだ。
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コウ(プロフ) - こんばんは。コウと言います。パネトーネの所殺菌効果だと思うのですが雑菌効果になってます。この話面白かったです。これからも応援しています。 (2017年3月3日 20時) (レス) id: 41dfced98c (このIDを非表示/違反報告)
椰由子(プロフ) - 物語すごく良かったです^ ^二人の恋路が可愛すぎて何回もよんじゃいました^o^タイトルもオシャレでケーキ食べたくなりました(^∇^) (2015年9月7日 23時) (レス) id: 6c05c56852 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ホタル*さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると安心します(*^^*)これからもよろしくお願い致します!笑 (2015年8月6日 0時) (レス) id: 1421759186 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ドッペルゲンガーさん» ありがとうございます!!楽しんでいただけて良かったです(*^^*)これからもよろしくお願い致します! (2015年8月6日 0時) (レス) id: 1421759186 (このIDを非表示/違反報告)
ホタル*(プロフ) - あんずさんの小説、またまた一気に読んでしまいました!!新開さんすごくかっこよかったです!素敵な物語をありがとうございました! (2015年5月2日 23時) (レス) id: c5e9125b99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2015年2月22日 1時