佐久間さんちは今日も幸せ4

＊告白☆ ページ47

康「........公園？」


紫「そ、駅から少し離れたところにあるんよ。知らんかった？」


康「この辺は仕事でよぉ通るけど、公園があるなんて全然気付かんかった」


紫「俺も最近見つけたんだけどね。夜中にぶらぶら散歩してたら、偶然この通りかかってさ」


ひと気のない公園の中に入っていくと、敷地の隅にブランコを見つけて、紫耀と並んで腰を下ろした。


昼間は子供達で賑やかな公園も今は静まり返っていて、ブランコを漕ぐ音だけがギィギィと響いている。


康「紫耀くんも散歩なんかするんやね」


紫「そりゃあするよ。仕事で疲れた時とか、無性に外を歩きたくなるし」


康「俺も少し前まではよく散歩とかしてたなぁ。今は変装なしで渋谷なんか歩かれへんけど」


紫「あはは。そんなに警戒せんでも、堂々としてたら意外にバレないもんやで」


康「ほんまに？」


紫「1人で行くのが心配なら、またこうやって2人で遊びに来よ」


康「うん、紫耀くんが一緒におるなら安心や」


同時に顔を見合わせると、ふはっと笑い合った。


紫耀に言われるとなんだか大丈夫な気がしてくるから不思議だ。


康「あ......そういえば、さっき俺に話があるって言ってなかった？」


紫「うん、帰る前にちゃんと康二に言っておきたかったことがあるんや」


ギィ、と隣のブランコが揺れて、紫耀が立ち上がる気配がした。


俺も立ち上がろうとしたら両肩をふわりと押さえ込まれて、椅子に座ったまま顔を上げた。






＊＊＊＊＊






紫「俺さ、康二の事が好きやねん」


康「へ...........」


すぐに言葉の意味が分からなくて、ポカンとしながら彼の顔を見上げた。


真上から静かに影が覆い被さってくると、ほんの一瞬、掠め取るように唇が重なった。

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