佐久間さんちは今日も幸せ11 (ページ15)

今日:11 hit、昨日:32 hit、合計:96,543 hit

2 ページ15

浮「あ、そうそう！」

大「？」

浮「阿部先せ.......じゃなくて、阿部さんのことなんですけど」

周囲に人がいないのを確認すると、急に耳元に顔を寄せて声を潜めた。

仕事場ではあんまり馴れ馴れしくするなと説教しようとしたが、亮平の名前を出されてピタリと動きを止めた。

＊＊＊＊＊

大「うん？亮ちゃんがどうしたって？」

浮「..........佐久間くん、顔怖いですって」

大「いきなり亮ちゃんの名前を出す方が悪いだろ。つか大学でなんかあったのか？！まさか変な虫が俺のよmに…ごほん！」

浮「ちょ、落ち着いてください。ここじゃなんですし、人目のない休憩スペースに行きましょ」

確かに廊下だと後輩たちやスタッフも行き交っているし、誰に聞かれるか分からない。

身内はともかく、局のスタッフや外部の人間に知られたらまずいと判断して、しぶしぶ浮所の後ろを歩き出した。

浮「すぐ終わりますから」

大「ったく。スタジオで不用意にプライベートの話題出すなよな〜。誰かに聞かれたらどうするんだっての」

浮「けど佐久間くん自身、わりと無自覚に家族の話とかしてますよ？」

大「はぁ？(怒)」

浮「いえ、すいません」

昔はもっと真面目というか大人しい感じだったのに、最近の浮所はわりと図太いーーというか、俺の前でも素を出すようになっていた。

ーーいや、別にいいんだけどさ。

あんまり先輩を先輩と思ってない気がして、威厳を込めてジロリと睨みを効かせてやった。