佐久間さんちは今日も幸せ7

＊佐久間さんちの春休み ページ46

蓮とラウールが春休みに入って、佐久間家では戦場のように忙しい毎日になっていた。


俺の職場である大学も休みになるとはいえ、子供2人が家にいるとやることも増えるし、1日中騒がしくなる。


子供達は可愛いし苦じゃないんだけど、息子の遊び相手をしていると、家事や仕事がなかなか捗らないのが現実だ。


春休みといっても論文を書いたり自身の研究もあるから、学生と違って、教員はむしろ時間が足りないくらいなんだよね。


亮「う〜ん......」


康「阿部ちゃん、どしたん？」


亮「うん.......実はね、春休み中にこの論文を書き上げたいんだけど、なかなか時間がなくてね」


康「あらら、そら大変やなぁ。俺ももっと頻繁に来れればいいんやけど」


亮「いやいや、康二はもうアイドルじゃん！俺よりずっと忙しいんだから、無理しなくていいよ」


康「蓮やラウルと遊ぶのは楽しいし、それは気にせんでええって。俺が好きで来てるんやもん」


今日は康二が貴重なオフの日に遊びに来てくれた。


大介は個人の仕事が入っていて不在だけど、グループのスケジュールはオフだという。


Black Goldに加入する前はほぼ毎日のようにシッターのアルバイトをしてくれていたから、蓮もラウールも大喜びだ。


蓮「こーじくん、次はマリカーやろうよ！」


ラ「らうも〜！」


康「ええよ。けど今日は天気もええからお外に行かへん？みんなでサッカーやろ」


蓮「やった〜！お外に行ってもいいの？！」


亮「ええっ、康二大丈夫なの？周りの人にバレたら大変だよ」


康「さっくんちの近所なら平気やで。みんな知ってる人ばっかりやし、騒いだりはしないと思うわ」


ニカッと笑うと、サッカーボールを持って蓮とラウールを連れて近くの公園に出て行った。


恐らく俺が家のことや仕事が進むように気を使ってくれたんだろう。


康二の優しさに感謝しながら、俺は滞っていた論文の続きに急いで取り掛かった。

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