佐久間さんちは今日も幸せ (ページ32)

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〝ブォー〟

おもむろにドライヤーを取り出した亮平は、俺をベッドに座らせると、半乾きの髪を乾かし始めた。

彼が愛用しているヘアオイルを毛先に塗られ、温風に混じって、なんだかいい匂いが流れてくる。

亮「大介、髪の毛だいぶ軋んでるよ」

大「そう？昔からブリーチ繰り返してるからね～。毛根さん、死んでるかも(笑)」

亮「毎日ケアしなきゃ駄目だよ。タオルドライしたらオイルを塗って、髪もしっかり乾かさないと」

大「んー......分かってるんだけどさぁ。毎日やるのは面倒くさいんだよねー」

亮「仮にもアイドルなんだから、ヘアケア、スキンケアは基本だろ。メンバーに美容オタクの渡辺くんがいるんでしょ、少しは見習ったら？」

大「だって、しょっぴーは美容が趣味みたいなものだもん。俺のアニメ趣味と一緒よ」

メンバー1の美容オタクを自称するしょっぴーは、美にかけるお金と情熱がハンパない。

その努力は尊敬するけど、真似しろと言われたら、絶対に無理無理無理。

ぷうっと頬を膨らませると、呆れたように笑われてしまった。

亮「超人気アイドルなのに、ルックスに無頓着過ぎるのもどうかと思うけどねぇ」

大「いーじゃん！俺、男なんだもん。ビジュアルも大事だけど、元気でいることが1番のファンサなんだしさ！」

亮「はぁ～........やれやれ。物は言いようだね」