佐久間さんちは今日も幸せ (ページ14)

今日:31 hit、昨日:22 hit、合計:497,502 hit

2 ページ14

康「こんにちはー、向井です。ラウールのお迎えに来ましたぁ」

【ひよこ組】と書かれたプレートの扉を開けると、中で騒いでいた子供達がいっせいに振り返った。

ラウールのいるクラスは3～4歳までの子が20人ほどいて、2人の保育士さんがついている。

頻繁にお迎えに来てるせいか、今じゃ保育士さんだけじゃなく、ちび達ともすっかり仲良くなってしまった。

積み木のおもちゃで遊んでいた子供が、テテッと俺の所に駆け寄ってきた。

子1「わー！！こーじだー！」

子2「ほんとだ！こーじがきた～」

康「はい、みんなこんにちわぁ～。〝こーじ〟やなくて〝こーじくん〟やで」

子3「こーじくん、らうちゃんのおむかえきたの？」

康「そやでー。ラウールはおるかな？」

わいわいと自分を取り囲むちびっ子達の頭を撫でながら、部屋の中に入っていく。

隅の方には一式だけ小さな布団が敷かれていて、側に座っていた保育士の先生がこちらを振り返った。

保「あら康二くん、早かったわね」

康「ラウールが熱出したって電話もろて、ソッコーで出てきましたから！
えぇっと、ラウの様子は.......」

保「それがねぇ........」

布団に寝かされているラウールを覗き込むと、まだ新人の若い保育士さんが、少し困ったように苦笑した。