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どんどん日が暮れていって、アパートの前についた時には空のてっぺんから暗闇がオレンジの空を押し沈めていた。
辺りが薄暗くて、わたしはため息をつく。
デートが途中で取りやめになって(そんなことってあるのかな？)、ママが家にいるといい。それか、ママがうっかり鍵を閉め忘れてたらいいのに。
そんな可能性はこれっぽっちもない気がするけど、ひとまず、二階にあるわたしたちの住む部屋の前まで行ってみようと、コンクリートの階段をのぼる。足元を見ながらのぼる。
膝が寒さでか、ほんのり赤くなっていた。いつものこと。
それから、一番最後の段をのぼりきって顔を上げて、わたしはぴたりと動きを止める。
うちの前に、ひとが立っていたから。
男のひとにしては髪の毛が長いけど、女のひとにしては身体がおおきすぎる。知らないひとだと思う。
おそるおそる、そのひとがいるほうに歩みを進める。
近づいて、男のひとだと確信した。長くて無造作にウェーブがついた、焦げ茶色の髪の毛で身長がすごく高い。髪の毛で横顔はよく見えないけど、佇まいからして男のひと。若そうに見えた。
そのひとは、インターホンを押すわけでもなく、眺めるみたいにうちのドアを見ている。不審と言えば不審。
うちを訪ねてくるひとなんて、宅急便か生協か、あとはソノダさんくらいで。ママの仕事場のひとかもしれない、と思ったけど、それだったらあんな風にぼうっと立ってないはず。
わたしはまた足を止める。
なんだか怪しいから、気づかれる前に引き返そうかと思っていたら――…
「……あ。」
そのひとがわたしに気づいてしまった。
わたしのほうを見て、そうちいさく、声を漏らした。
こちらを向いたその顔は、思わずどきっとしてしまうくらい綺麗で、見ようによっては一瞬女のひとにも見えるかもしれない綺麗さで、でも男のひとで。
顔がちいさくて、鼻が高い。モデルみたい。そう思った。
それからわたしは、どこかでこのひとを見たような、妙な既視感を抱いていた。
「あの…うちに何か御用ですか…？」
微妙な距離を取ったまま、おずおずとわたしはそう尋ねる。それと同時に、どこで見た顔だろう、と頭の中を探る。
「Aちゃん？」
そのひとが次に発する言葉を慎重に待っていたら、そのひとはちいさく首を傾げてわたしを見ながらそう、言った。
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蒼 夢見子(プロフ) - 幸さん» 幸様、心のこもったあたたかいお言葉ありがとうございます。こんなこと言っていただけるとすこし自惚れてしまいそうだなと思ってしまうほど本当にうれしいです。お礼を言いたいのはこちらのほうです…私は幸さんのコメントにあたたかい気持ちになりました^^ (2019年11月26日 19時) (
レス) id: c01abe0da9 (このIDを非表示/違反報告)
幸 - 夢見子さんの作品は、何でこんなに引き込まれるんだろう…と、日々不思議に思っています。(笑) ものすごく好きな作者さんです。暖かい気持ちにさせてくれて、ありがとう。私も、夢見子さんのように、誰かを暖かい気持ちにさせられる人になりたいです。 (2019年11月21日 20時) (レス) id: 295a9fdbac (このIDを非表示/違反報告)
蒼 夢見子(プロフ) - 碧さん» 碧様、初めまして。お返事遅くなりすみません（涙）そう言っていただけてとてもとても嬉しいです。思うように書けずにいて読んでくださっている皆さんには申し訳ない気持ちですが…あたたかいコメントを糧に頑張ろうと思います！ありがとうございます！ (2019年4月7日 0時) (レス) id: 0c7f8e1b68 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 初めまして。すごく楽しみに読ませて頂いています。夢見子さんの作品はいつも切なくて温かいものばかりで、大好きです！応援しています。 (2019年4月2日 18時) (レス) id: d6c70f3491 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 夢見子(プロフ) - 翠穂さん» 翠穂様、お返事大変遅れてしまってごめんなさい…！そしてあたたかいコメントありがとうございます（涙）すこしずつしか更新ができていませんが今後の展開も見守っていただけるとうれしいです！ (2019年3月25日 12時) (レス) id: 742d92b89e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 夢見子
| 作成日時：2019年1月30日 0時
