安全な暮らし10 ページ12
魔術で造った炎の剣を持ちこちらに突っ込んでくるアスモデウス。
「八つ裂きにしてくれるッ!」
「ちょっ」
『わっ』
慌てて避けて受け流すが、その先には女の子がいた。
「キャアァア!」
アスモデウスは怒りで我を忘れ目の前の女の子に気づいていない。
(ああ、もう全く!体力とか何も残ってないのに!)
聖奈は女子へ向かって全力で走って行って押し倒した。
一方、入間はアスモデウスを止めるために体を引っ張る。
ぐらりとよろけ、倒れそうになった時、入学式で言われたことを思い出す。
”「さっきの呪文成功するとなにが…?」"
"「成功するとその日一日転ばなくなる」”
「あ」
ドシャアアア!!!
『入間くん!大丈夫!?』
「ゲホッ、なんだッ」
「どうなった!?」
《__のちにこの決闘を見たものは語る。そうそれは見事な……
ジャーマンスープレックスであったと__…》
「「「ウオオオオオオ!!」」」
ギャラリーからは大歓声が上がっている。私はジャーマンスープレックスの状態で固まっている入間くんを救出するためフラフラとしながら向かった。
『取り敢えず…降ろそうか。ていうか私達アスモデウス君を保健室まで運ばなきゃ行けないのでは…』
「あ!本当だ!でも僕が運ぶから大丈夫だよ!聖奈ちゃん僕以上に疲れてるし」
『ありがとう、助かる…』
《かくして入間と聖奈の入学式は有事に終わり…》
「入学式で禁忌呪文を詠唱しその日の内に首席の頭をかち割る!!身を省みず助けに向かった聖人!特待生入間と聖奈の大悪行!!いやぁ〜流石我が孫達!幸先いいねぇ」
校内新聞を引き伸ばしご機嫌で見ているおじいちゃん。
「どっどうしよう、あんな酷いことしちゃって…あっ謝りに行かなきゃ」
『この先不安しか感じない…』
その時理事長室の扉がバァン!と豪快に開かれた。
扉の前にいたのは先程入間くんが保健室に運んだアスモデウス君。ツカツカと無言でこちらにやってくる。
やだ。やめて。来ないで。
すると急に私たちの前に跪いて話し始めた。
「先の決闘…!あれだけ自分に有利な状況での敗北にもはや文句のつけ様もありません!!加えてこの身を医務室まで運んでくださったのこと、このアスモデウス言葉にできぬ程感激致しました!」
ポカン…となる私達。
「よって!この身を全て捧げ入間様の学園統治に尽力致します!早速新入生全員を配下に納めましょう!」
この子頭打っておかしくなったのかな?
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おー! - こんにちは!コメント失礼します!え?なにこのお話面白い!!設定とかも好きです(?)無理のないように更新頑張ってください! (10月30日 15時) (レス) @page14 id: a3e02422b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗綾♪ | 作成日時:2023年9月1日 18時