Two Pair �� S ページ7
俺がニカに甘い？分かっとりゃーす。
てか、わざとしとるんでね。
俺、絶対ニカには逆らわないし、ニカを否定せんようにしとるの。
ニカって繊細なんよ。超潔癖の超繊細さん！外面はしっかり者に見えるで安心して下手に否定すりゃあ、ずーっと落ち込んどるでね。ガラス細工より脆いハートだで、なんしか取り扱いのムズいピュアな子なの。どえりゃあ優しいし。
昔は周りが大人だで、はんかくさいと思ったこともあった。
だけど、泣きたいの堪えてさ、この世界で一所懸命生きてる姿見てりゃさ、もう保護したくてしょうがなくなっちゃうじゃん。
……はぁ、可愛いね〜。大好き。
『なぁなぁ、千賀ぁ？』
『ん〜？』
『これ、どう？』
ちぎり絵？？？ニカが見せてきたのは、こんもりと和紙を貼り、雪に凸凹をたくさん付けた電車のちぎり絵。なんとも可愛らしい。
番組のだよな？俳句やら水彩画やら生花やらの技術を競うの。
ニカは美術面では惜しい評価ばかりであと一歩。絵は上手いの……俳句は《才能なし》のオンパレードだけどな。
『うん。可愛い〜っ！ファンタスティックで素敵じゃない！！』
……凸凹付けすぎじゃない？とか、電車雑だなとかそれはさておき。何より発想可愛い！
『お？ニカ、いいじゃ〜ん？紙が重そうだけどど。』
宮っちも後ろから覗き込んで褒めてくれる。
『ニカも頑張ってるね〜、才能あるね！』
『ポンポンすなっ！恥ずいっ！！』
お？頭ポンポンしてくれましたよ？珍しい。
潔癖だけど、コレは嬉しそうなニカ。照れてる照れてる！可愛いね〜。
宮田のこと、兄ちゃんだと思ってるもんね。
宮っちがゲームをしていたタマも手招きした。
『ね、タマも見て？ニカのちぎり絵。可愛くない？』
ところが、タマは宮田の隣に立つと、チラリとニカのちぎり絵を一瞥して、番組MCの濱田さんのモノマネでこう言い放った。
『…はい、才能ナシです〜！！』
『ぅええっ！？』
んぎゃ！！？ニカ、一気に落ち込んどりゃーすけど！！
『はい、宮田さん、トイレ行くよ！』
『ちょ、タマぁ？』
……あ〜、頭ポンポンがお気に召しませなんだか。
宮を引き摺り楽屋を出たタマを見送り、俺はまたニカを持ち上げては慰めることになった。
ったく、タマにはおぇりゃーせんわ〜。
で、ちなみにこの作品、なんと１位を獲ることができた。良かった〜！たまには褒めてくれないとニカやる気無くしちゃうもんね。
頑張れ、ニカ！俺はいつでもニカの味方だかんな！
fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みあん | 作成日時：2021年5月11日 23時
