I need you！ vol.2 (ページ45)

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Which？ Ⅱ T ページ45

俺と宮田のドラマ配信後のラジオで、宮田は完全に断言した。

『タマは俺の《嫁》！』

ま、ファンには《宮田の嫁》で通じるほどの市民権を得た呼び名になったから、一応反論はしとくけど、悪い気は全くしてない。
ただ、俺は密かに宮田のほうを《俺の嫁》と呼んでいる。

『ファンは老若男女みんな《姫》！』

ほぉ、じいちゃんも《姫》かよ…。

いつの頃からか、宮田は俺を《嫁》と呼ぶようになった。
最初は、ヲタク用語で自分が超推しているキャラをそう呼ぶから…という理由だったけど。
ライブで結婚式挙げてからは、誰憚ることなく《嫁》になりました。

いや、俺、白い衣装好きなの。
んで、宮田はその頃わがままボディだったから細めにカッコ良く見える黒衣装にしたの。
コンセプトは２人の王子が出会って、恋をして結ばれて愛になるまで……で、黒王子と白王子にしたら、結婚式は自然と白が花嫁さんでしょ？で、俺が花嫁さんになった。

まあ、宮田が花嫁さんだと、またギャグ扱いになっちゃうし、ぶっちゃけ花嫁は俺のが似合うだろうし…ちょっとやってみたかったし。
ほんとは日替わりにしたかったけど、オチが作れないからやめた。

『タマは《嫁》！そういう関係なんで…。』

《好き》がたくさん重なって、その《好き》に幸せがいっぱい乗っかって、俺は宮田の《嫁》になった。
一緒にいられるって奇跡を、もっとも〜っと重ねていきたいから。

今じゃドラマまで作ってもらって、おかげ様で慣れた方々にはすっかり夫婦扱いです。

…え？イチャついてるから？
そんなにしてないはず……俺がマウント取ってるって？
……そりゃ取るわ、モテ男をパートナーにすると気苦労するもん。

でも、何よりありがたいのは、ファンもそんなハッピーなリアルファンタジーに一口乗ってくれてること。

『我々《姫》は完敗です。どうぞお幸せに！』

昔のライブ見ながらの座談会。俺たちの愛三部作に寄せられたファンからのメールを、ガヤが楽しそうに読む。宮田はちょっと戸惑った声。

『はぁ…どうも…。』

メンバーは黙ってニヤニヤしてる。
副音声で《姫》には見えてないのに頭を下げてる宮田に、俺は呟いた。

『…よろしく。』
『う、う…ん…。』

ちらと俺の顔を見て、宮田は頷く。
それから顔を見合わせてくふりと笑い合った。

…んふ。
結構浸透しちゃったから、もう後戻りはできないぞ〜？？責任取れよ？

末永くよろしくね。俺の《旦那》さん！

fin.