I need you！ vol.2 (ページ33)

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Oh！Sit！ Ⅳ N ページ33

『３・２・１…。』

歌番組のリハは、てっぺんをまわり、俺たちの１０周年記念日にずれ込んだ。

『俺たち、おめでとう！！これからもよろしくお願いしま〜す！』

宮田が大きな声で音頭を取って、みんなで口々にイェ〜ィと拍手。
後から見たら、ちゃんと携帯のグループチャットにまでメッセージ。さすがです。

こういうの恥ずかしがってやらないグループもあるらしいけど、うちには宮がいるから大丈夫。率先してメンバーを繋いでくれる。
やらないより、やったほうが気持ちいいし、爽やかに素直に喜べる。大事なことだ。

１０年で分かったことは、素直って大事ってことだな。

『来月、次の新曲発売もあるから、また７人一緒にたくさん仕事できるね〜。俺、舞台で１人出張してた時、寂しくてさぁ。』
『お前、ほんとにメンバー好きだな。』
『ニカだって好きでしょ？ブログに７人一緒だと楽しいって、いつも書くじゃん。』

宮はニコニコの笑顔で俺を見た。
アレは…まあ、書くことないから…嘘つくの嫌いだし。
素直じゃない？ほっとけ！

『７人だと安心だよな。ドラマの現場は熱いけど仕事だし。』
『ミツ？コレもお仕事。』

タマと北山さんも参戦。
外部出張班は、７人の仕事は仕事に入ってないらしい。家に帰ってくる感覚か。
かく言う俺も、やっぱり７人の仕事は心底楽しい。なんでだろね。

『俺は外の個人仕事寂しくないぞ？集中してるもん。』
『嘘つけ。役から帰ってきたら１番はしゃぐのタマだからね？』

宮の言う通り。私生活もその役に寄せるタイプの俳優タマ。
役が抜けると弾けるように面白いタマが帰ってくるのよ。憑依型俳優とはよく言ったもんだ。

『お前は終わる前にもう疲れてるもんな。気を遣いすぎ。す〜ぐ《タマぁ！》って泣きついてきてさ〜！』
『外で見せてないもん！』
『俺にしか分かんない顔で疲れてるだけじゃん。』
『タマにしか分かんないならいいじゃん。タマだって、青白い顔ですぐ膝枕しろって…。』
『お前だって、疲れたら急に膝枕決めてくるだろ！？俺の膝枕大好きやん！』

楽屋でよく見るよ〜、その光景。こないだは収録中に…てか、話変わったな！

『いや、確かに大好きだけどぉ…た、タマだってさ…！』
『やめろっ、痴話喧嘩に見せかけたイチャイチャやめろぉ〜〜っ！』

まだ何か言いたげな宮とタマ、額を押さえる北山さん。で、笑いの止まらない俺と３人。

俺たちの１１周年は、こうして幕を開けた。

あ〜、７人だと楽しっ！！

fin.