I need you！ vol.2 (ページ22)

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How？ Ⅱ T ページ22

《無人島に一つだけ持って行くなら？》
《宮田さん。》

俺が判で押したように答えていたこの答えが、とうとう変わった。
考えるのもめんどくさいから、雑誌のインタビューとかには必ずこう答えてたけど。

『玉森さんは無人島に……。』
『名賀瀬かな。ゲーム付き合ってくれるし。』

聞いてた宮田が呟いた。

『…ふ〜ん。名賀瀬、ぶっ飛ばしちゃおっかなぁ。』

コラコラ、それ、俺のやつ。
てか、後輩に暴力はやめとけ？
その前にお前が《タマ》って答えちゃったし、俺が《宮田》って言ったら、ただのイチャイチャになると思ったの！

『じゃあさ、ゲーム機とかで良くない？』

おや、しつこい。
撮影は終わりましたよ？まだ言うか。
着替えて移動前、他のメンバーを待っている間もフードの紐を弄りながらぶつぶつ。

『わざわざ他の名前を出さなくても。めっちゃショックだったけど？』

……んふ。

俺は無表情のまま、心の中でほくそ笑む。

あっそぉ！妬いてんの？？

『お前こそ珍しく俺の名前出したな。長らく無人島問題で俺の名前出さなかったくせに。今日は何よ？』
『アレは……タマが我慢すんなって言ってたから…素直に。』
『その場で抱き締めちゃろかと…。』
『え？』
『何でもな〜い。』

お前より、俺のほうが動揺してたからね？椅子から転げ落ちるかってくらい。

《おほ？ここで宮田が俺の名前出した〜っ？》

びっくりしちゃった。思いっきりぎゅうぎゅう抱き締めちゃいたくなって、自分でも慌てた。
無人島問題にお互いの名前出したら、流石にアウトだよね…なんて言ってたのはお前ですよ？何？疲れてるから、本音がぽろり？

『怒るなよ。そろそろこの質問の答え変えないとさ、ワンパターンじゃ面白くないでしょ。たまには他のお名前も出さなきゃ。』
『横尾さんに言われた？そりゃ、俺も怒れねぇけど。』
『お前に怒られるのはヤダ。怖いも〜ん。』

そうやってぷりぷり唇尖らせてるくらいが可愛いよ？

宮田がふと指を止めた。
白い壁に肘をついて、小さな溜息。
長くて綺麗な睫毛がふるりと揺れた。

『まさか、こんなに落ち込むとは自分でも計算外…。』

聞こえないほどの小さな小さな声で、ひとりごちる。

あっそぉ……。

…んはは〜っ！面白い！可愛い！たまらんっ！あっそぉ、そんなに妬いちゃった？妬いちゃうかーーー！！

ニヤける顔を必死で抑えた。

………でも、流石にこのままじゃ可哀想ね。

さて、どぉする？

fin.