I need you！ vol.2 (ページ41)

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No Bet Ⅸ M ページ41

愛してる…。
愛の森の奥深く、首に喰い込むその細い指が叫んだ。
君の痛みが和らぐなら、この選択肢さえも俺は受け入れる。
怖くはない。
……本当に怖いのは、きっと………。

『いででででっっ！！？タ、タマ？』

てか、それはさすがに痛いぞ、タマっ！！
またもや羽交い締めにされた上に、ガップリ首筋を噛まれている、そんな楽屋の昼下がり。

『むふぅ…久々に噛んでみたくて。今日はしょっぱくねぇわ。』

どんな性癖だよ。
嫁が満足げに唇を拭った。
て、いつも俺たちのじゃれ合いを見て見ぬフリなメンバーもマネージャーも、流石にこれは笑いを堪えている。

『ん〜、宮田さん、首長いから噛みやすいし、絞めやすいんだよね。』
『やめて？普段どんなプレイしてんだと思われるから。』
『いいじゃん、減るもんじゃなし。』
『減らないけど、跡付くわっ！』
『力入れてないもん。それに今日の衣装、ハイネックだろ？』

なるほど、計算の内か。
怖いわ〜。永遠の５歳児とかぴよぴよひよこちゃんとかメンバー１の自由人とか言うけど、なかなかどうして。
ちゃんとテレビの向こうにどう見えるか計算してるんです。

『そうだな。昔は俺にしか見えないほうの目でウィンクしてきたり、俺がお高く見えたり考えすぎちゃいかんと、罰ゲームとかにも付き合わせてくれたり、会議中にお笑い動画見せてくれたりすんだよな。ありがとね、タマ。』
『いや、まぁ…俺とガヤはふざけるの禁止だったから……。』

タマが赤くなった。

『そうか…俺と面白い動画送り合うのは？俺の映像制作の参考にしろってことかな？』
『あ、俺も昔、ニカとは絡みが少ないから口喧嘩しようって言われたぞ。』
『俺は？宮田とタマにイジられまくるんですけど。』
『北ミツは他をイジってばかりだから、本当は可愛いってとこをちゃんと見せたいんじゃない？』

『…もぉっ！みんな言うなよ〜っ！』

お、めちゃくちゃ照れてる。
タマはふざけて遊んでるようで、実はグループに細心の注意払ってるんだよな。

『宮にツンデレはもうやめたの？』
『んにゃ。また復活させてる。ツンしないとデレが引き立たないでしょ？』
『でも、宮は外ではデレまくりじゃん。』
『それはいいの。むしろ足らない！』

え〜？俺デレてるほうと思うんだけど。

『宮と俺はファンタジーだから。どう捉えてもらうにしろ物語の要素は沢山提供しないとね？』

怖っ！

……俺の嫁、とんでもないプロデューサーなのかもしれない…。

fin.