Oh！Brothers！ �� K ページ35
その夜は歌番組のリハで明けた。
７人で過ごす特別な時間。
俺は、やっぱりココが好きだな。
『動きを出したいのは分かるんだけど、間に合わないよね？』
『移動やめてさ、ニカ千がそのままの場所で合流でいいんじゃん？』
振付さんと調整しながらやいのやいの。
で、もっと遊べと提案された。
『はいっ！俺たち、もぉ考えた〜。』
『ラブラブするんだよなぁ〜？』
『んはは〜っ。』
宮田とタマが照れながらもアピール。
いや、見とったわいっ。２人のお手手でハート作るんだろ？何よ、ちゅ〜って！そりゃ、ファンも可愛い〜っ！とかなるでしょ！！
まあ、後は適当に入れてくか。
…と、思っていたら、二階堂と千賀が手を挙げた。
『あのさ、入れたい振りあるんですけど。』
『みんなの了承貰っときたいな。』
歌を歌い踊って１６年。普通の人が仕事に入って１６年と思えば、俺たちもその仕事ではもうプロなんでさ。追求すればキリはないけど、ここ変えたいとかの要求にはすぐ応じられる。
『何？全員？』
『いや、俺たちだけ。』
了承を取る意味が分からず、みんなが不思議な顔をしていると、ニカがメガネを掛け直す仕草をしながら言った。
『…この振り入れたい。』
それは中井さんを表す振付だった。
『こないだ初披露でニカやってたよね？』
宮田が同じ仕草をしてみせた。
当初ブサイクだと言われ後列として扱われた宮田・横尾・二階堂・千賀。その４人を中井さんがプロデュースしてくれた時のキャラクターが、眼鏡を掛けていたことに由縁する仕草だ。
『せっかく道標って歌詞入れてくれてるし、そこはどうしても入れたいよねって。…いい？』
こんなに遠慮するのは、その歌詞の楽曲のおかげで、あの当時俺たちがちょっと憂き目に合ったから。
『いや、もう怖いもんなんてねーよ。』
だって、藤ヶ谷なんか自分のラジオ終わりに毎回中井さんに呼びかけてるし、宮田は番組使ってもらってるし、全員で退所祝い送ってるし、話題は必ず出すし、ズブズブのズブじゃん。
あんな世話になってて、今更何よ？
この曲は皆様に今までの感謝を伝える曲じゃん。逆に何故入れてない？
『北やんの言う通り。』
『入れよ入れよ。』
みんなで賛成するとニカ千は安心したように、笑った。
『あのちっさかった双子も男前になって…。』
『そうだなぁ。兄組も負けてらんねーな。』
『俺は負けてる。』
なんて、藤ヶ谷、横尾さんと微笑む。
…うん、俺はやっぱりココが好きだな。
fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みあん | 作成日時：2021年5月11日 23時
