検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:11,725 hit

12 ページ33

《「幼なとき集めしからに懐かしもしがらき焼の狸をみれば」
くふふ〜!なんと!!俺ら信楽の狸これくしょんしてはったんよ?ワシもその中入りたかったわ〜。縁起モン冥利に尽きるとはこのことや〜。》

…………えと。タヌキチさん、本体はかなり縁起物であることにぷらいどがあるんだね!

《当たり前やんか。ワシらはな、言うたら人間には役に立つもんやないんよ?せやけど陶器と言えばまず頭に浮かぶのがワシらや。それだけ世の中に普及しとんねん。関西人なら一家に1匹!

…くふふ。何でやと思う?

ただの置物やのにこれだけ仲間が数多く作ってもらえるようになったんは、このお顔とまったりぼでぃの組み合わせの可愛らしさ。そして人間が常に願うささやかな幸せを感じるこの表現力!!歴史は浅いほうやけどフクスケやマネキネコにも負けへんで!!
このお国の【きんぐおぶ縁起モン】とはワシらのことよっ。》


ご自分のお言葉に興奮したタヌキチさん、めも帳を振り回しながら、その場でぽんぽこぽんぽこまぁるいお腹を両方のちっちゃなお手手で叩き出す。
まるでおっきな太鼓みたいにお山やお空にその音が響き渡ります。カラスさんがびっくりしてバサバサ飛び立つ音が聞こえるよ?
ツチヒメさんだって、ぴょんと穴から飛び出しちゃうくらい楽しい音!


《ショウバイハンジョウフウフエンマンカイウンシュッセ叶えまっせぇぇぇぇえ〜っ!!うりゃうりゃうりゃうりゃ〜〜っ!笑う門には福来たる〜!》


【縁起物の王様】はあぐれっしぶにぽんぽこぽんぽこぽんぽこお腹を連打。
なんだか踊りたくなってきちゃう。
タマさんたちも音に合わせてお肩を揺らし出しました。
……んふふ。不思議不思議〜〜っ!


『…ということだよ、タマモリ。』

タヌキチさんのお言葉を面白そうに通訳していたトシコさんが、タマさんのお顔を見た。

『……ん!ありがと。宮っちはどう思う?』

『ん。いいんじゃないかなぁ。思ったより可愛いしさ、悪い人じゃなさそう。何より陽のパワーみなぎってるじゃん。見てるだけで楽しくなるもんね。』

ミヤタさんが楽しそうなお顔でそう言うと、タマさんは安心したようにホッと息を吐く。

『だよね?俺もそう思った。ドンブリは?』

僕はお返事の代わりにしっぽをぶん回す。

『ツチ媛様はどう思う?』

ツチヒメさんも土の上で短いしっぽをぶんぶん振ってらっしゃいます。
どうやらタヌキチをお気に召したみたい!

タマさんはそれを見て、ぱんっとお手手を叩いた。

13→←11



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
設定タグ:宮玉 , 玉宮
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みあん | 作成日時:2023年1月23日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。