ひとくふう荘14 (ページ3)

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『ツチノコだよね？蛇だよね？UMAだよね？？』

みんながドン引きする中、お父さんとツチノコさんはイチャイチャ…。
お父さんのお膝の上でくすぐられてうねうねしてる丸太みたいなツチノコさんは、確かに喜んでるようにしか見えません。
てか、明らかにおふたりにはペットと飼い主以上の繋がりがあるようです。

………むぅ。なんか…ヤダ。

『じ、じいちゃん…あの、その…そそそのツチノコとはど、どういうご関係で…？』

恐る恐るガヤさんが訊ねると、お父さんは豪快に笑い出した。

『はは…あー、なんちゅうか、このひとも式神はんやな。かいらしいやろ？女の子やて。』

………《かいらしい》…つまり《可愛らしい》。
えと。お父さんにベタベタに甘えてる感じは確かに可愛いと言えないこともなくはないと思わないこともないかもしれないですが。
てか、僕たちのふぁあすとこんたくとがですね、まず思いっきり威嚇された上に噛み付かれそうになった状況だったから、その〜…可愛いとか思う間がなかったというか…。

…………あれ？ちょっと待って？？

もしかして僕、毎日毎日お父さんのお仲間を追いかけ回してたってこと？
タマさんに至っては、毎日毎日あいあんくろうでガブリの末にとどめを…。

ま、マズいっ！！これはマズいっ！！！

思わず数歩後ろに退がると、ふと僕に気付いたツチノコさんがむくりと丸太なお身体を起こした。
ヘビさんって腹筋運動できるんだね…はは、は…。

『…シャアァァァァッ…。』

静かな唸り声？
いやこれはもう、完全に敵視しかされてませんよね？？…ですよね〜っ？

…す、すみません、ごめんなさーーーいっ！！！

ここは素直にお座りして。
お耳を垂れてしっぽを下げ、頭を下げて謝ります。ドゲザができるものなら今すぐしたい！
いやはや申し訳ない。知らなかったとはいえお父さんの大事なお友だちになんてことを。

『あ、ドンブリが落ち込んでね？』

後ろにいらしたニカさんが、僕の様子を見てお声を上げた。
んにゃ、《ごめんなさい》のぽおずです〜。

『……ふふふふふ。』

キツネさんが憑依してるトシコさんが堪えきれないというように笑いを漏らす。

『ツチ媛は吾妹子とタマの鍛錬のお相手だったのだよ。』

『鍛錬？』

『駆けくらべやアヤカシと戦う鍛錬だねぇ？
ふふ。ツチ媛様もそうと知っていてわざと吾妹子らに襲いかかっていたのでしょう？
これこの通り、平謝りに謝っているからお赦しを。私からもお頼み申します。』