How？ S ページ42
あ〜眠いでかんわ…とベッドであくびしながらふと思い出す。
今日はタマがいんすたらいぶするって言ってたで、ちょいと覗いてみようかな。
ん？【玉森誕生日前夜祭】？
タマがのんびりお喋りしながら打ち込んだハッシュタグ。そうだ。タマの誕生日！
…あ。てことは俺ももうすぐ誕生日か。３３歳かぁ。
正直言って３０歳の誕生日ほどの焦りも特別感もない。３０回以上誕生日を経験してすっかり慣れたよね。しかも大人になって普段から自分へのご褒美も買えるようになると誕生日は逆に煩わしい。
自分の歳を思い知らされるでね。
まあ、タマが言うように年齢に矛盾しない大人になりたいってのも確かに分かる。
そんでもさぁ、おっさん顔はアイドルとして需要あらすか？やっぱりみんなカッコ良くて肌の綺麗な人間に焦がれるでしょぉ？？
大体タマとかがそれ言うのはズルいんよ。黙ってても造形の勝利で得してる。
美容に打ち込んでた俺よりガヤさんに基礎化粧品のCM来た時は結構ショックだったもん。
そして俺はエビデンスオバケ、いやさ、エビデンスモンスターに進化を遂げた。
それまで以上に美容本を読み、ネットで調べ何本もの基礎化粧品を試し、何回も美容外科に通い、美容点滴を打ち、自分の身体で実験を繰り返して…。
…だからこそ分かるの。女の子が綺麗になりたいのは結婚や彼氏の為ばかりじゃねー。
強くなりたい。
男も女も自分の顔に自信が持てれば、きっと内面も自信がつく。自分を愛することができると信じてるんだ。
で、今年ようやく俺は基礎化粧品のイメージキャラクターとフェイスパックプロデュースする機会を与えられた！
待ってろよ、ビューティちゃん！！
俺の基礎化粧品で必ずお肌綺麗にしてあげるでね！
だけどさ、そんなこと思いながらタマを見てた俺はまたもやタマに敵わないことを知る。
宮も家でタマのいんすたらいぶ見てたみたいでさ、宮が急遽リモートで参加することになった時…
…タマの顔がぱぁっと輝いた。
まるで花が綻ぶように。美しく可愛らしく。
宮っちの顔見たくて画面を懸命に覗き込む顔が、で〜ら可愛くて思わず俺まで見惚れちゃった。
ズルイヨネ〜。どんな化粧品も恋する顔には敵わないって！！
プラン変更。
ビューティちゃんを輝かせる為に、やっぱり俺が33歳とは思えないほど１番綺麗でカッコよくなります。
題して、《俺に恋して綺麗になれ作戦》！
………あ、いや、勿論俺のフェイスパックも使うって前提だがね？
fin.
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作者名：みあん | 作成日時：2023年1月21日 0時
