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Wao…! K ページ3

宮っち、カッケェよ。
俺はめちゃくちゃ感動していた。


ニッコリ生配信のアニソンフェスで、サプライズゲストとして名前が発表された瞬間のどよめきは、心配していたものではなく、むしろ感嘆のどよめきだった。
気合いの入った美しいソロパフォーマンスが更に観る人を魅了している。
ニッコリ生名物の画面を流れるコメントも、そのパフォーマンスへの賛美で溢れていた。
ヲタクのアイドルとして貫いてきたこの生き方が認められる歴史的な瞬間を、俺は小さな画面で見守る。



最初はファンにさえ眉を顰める人もいたし、ヲタクにさえ《顔を売る為》なんて言う人もいて、どちらの世界の住人からも色眼鏡で見られていた宮田。
俺たちのやり方も不味かったんだろうけど、かなり辛かったはずだ。

けれども宮田は認めてもらえない苦しみを我慢しながら乗り越えてきた。
いくら軽視されようとも、事務所から怒られようとも、ヲタクであることを隠さない勇気。
嘘なく《好きなものは好き》と叫ぶようにヲタ活する宮田に親近感を抱く人が内外に増えていく。


とあるアニソンライブに参加した宮田の写真が多くのSNSに上がったことがあるが、それで事務所に《お前はアイドルだ。追いかけられる立場で追いかける立場じゃない》と怒られたことが知れ渡ると、ヲタクが声を揃えて《宮田を守れ!》と写真をSNSに上げなくなったという。
素晴らしい団結力と心意気。

宮田は宮田でそれを知って、全国のヲタクがカッコ悪いと思われたくないからと、カッコいいヲタクを目指すようになる。
互いに敬意を持ち合う関係はまさに唯一無二。


そうして苦労して蒔いてきた種は、今やっと花を咲かせ始めた。


今やヲタクと聞いてカッコ悪いと決めつける者はかなり少ない。
芸能人もこぞってヲタク宣言をする。

俺は確信している。
宮田がその時流を作った人間の1人だと。
血の涙を流しながら、世間の常識に立ち向かってきた男。


カッケェぞ、宮っち。
《キモい男は美しい》。
お前、今それを証明してんだぞ。



『いやぁ!スゴイ!宮田くんカッコ良かったですっ!!』

1曲目が終わり、フェスのMCさんが出てきてそう言うと宮田は照れながらハッキリとこう言った。

『いやあ、俺よりスゴイのがあと6人いるんで!』


………おいおい、ハードル上げてくれるじゃんか!


思わず笑った。
なんだか泣けた。


負けてらんねーな。

その言葉を嘘にしない為にも、お前より《スゴイ》奴になんなきゃな!


fin.

Who? M→←How? F



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作者名:みあん | 作成日時:2023年1月21日 0時

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