ひとくふう荘13 (ページ48)

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だけど、５人は深刻なお顔になり、腕組みして考え込んだ。

『そうか。宮っち…おじさんの親父さんの二の舞になるってこともあんのか。』
『……記憶の暴走。』
『背負えるものならそりゃ背負うけどさ…。』
『さっぱり分かんねー。どうやればいいんだ？』

《一緒に背負う》…あの日バルコニーで見たミヤタさんのお顔を思い出しちゃう。
１人でそんな怖さを背負いながらも、タマさんと生きる決意をしたミヤタさんのお顔。
それは誰にも見せない、寂しげで、それでいて凛とした美しいお顔。
……きっと、ご自分の中で何か覚悟を決めたんだよね？

僕もご一緒に背負えるなら背負いたい。
僕、ちっちゃなわんこだからたくさんは背負えないけど…って、何をどうやったら背負えるの？
お子様だったとはいえ、お父さんのヒミツだって知らなかったもんねー？
今日だって僕はタマさん守れなかった…。
情報収集…いや、警備のぷろとしてはおっきな失態です。

僕……一体何ができるというの？

思い出してちょっとしょんぼりしてると、ガヤさんが僕のお顔を覗き込んできた。

『ん？どした〜？？なんかドンブリが落ち込んでない？』

だって、僕は僕のお仕事できなかったんだもの。
お父さんのこともタマさんのことも…僕はおろおろしながらただ見てるだけだったんだもの。

優しいお手手が僕を抱き上げる。
ガヤさんは僕をナデナデモミモミして慰めてくれた。そのお手手にほっぺを擦り付けながら、やっぱり僕はしょんぼり。

『…疲れたか？急にあっち行っちゃって大変だったなぁ。おやつ食べる？』

おやつ……うぐ。
魅惑的なお誘いですが、僕はハッとお顔を上げる。
…《急にあっち行っちゃって》？

思い出した！キツネさん！タマさんは結界を抜けられるの！？タマさんは僕のお言葉分かるの？タマさんは…。
………あれ？タマさんは何処？？

『ああ、ミヤタと下の部屋に…。』

ん？気を失ってるタマさんとリュウさんがお２人きりで１つのお部屋。

…………あ、危ないかもぉぉぉっ！？

思わずお耳ピンッ！
落ち込んでる場合じゃなかったーっ！
大慌てでガヤさんのお膝から下へ飛び降りる。

不肖ドンブリ、これ以上タマさんを危ない目に遭わせる訳にはいきません！
ぷりんが危険…いや、フリンが危険ですっっ！
今度こそお２人にお顔向けられなくなっちゃう！！

『…タマモリの孫が危ない？何故だえ？？まだ何かいるのかえ？』

階段をよじよじ降り始めた僕に、キツネさんがお首を傾げた。