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すぐに円形にくり抜かれた板ごと最後はトシコさんがトックリを持ち、ニカさんが繋がっていた部分を切断。

『お前たちは戻って良いよ。とりあえず下の結界の中に入れてくるからね。』

やっと持ち上がったトックリをトシコさんはすぐさま小脇に抱え、しなやかな走りで畑へ向かう。

後に残るぽっかり空いた穴を見ながら、おっきな溜め息をつくタマさんの頭をナデナデするミヤタさん。

『…ヨシヨシ。』
『ぅわぁ〜ん!』

んと〜。僕のおしりハマっちゃうくらいの穴が空いちゃいました。この床直してもらうまでここから落ちないようにしなくっちゃ!


あ、ピロピロ〜ッとタマさんのぽっけからまたモシモシの音。

『はーい……え?大首が萎んだ??すぐ帰る!』

どうやら作戦成功したみたい〜!



急いで玄関からりびんぐに帰ると、お花の檻の中でヤギさんが萎れたおっきなお顔の垂れたお肉を除けながらロバさんを探してます。

『どれ、手伝うよ。』

りびんぐに飛び込んだ僕たちはお目目ぱちくり。
そばで見ていたモモさんのお姿が、アレよアレよという間に変わっていくの!

『…え?おじいさん…じゃなかった??』

お背中はスラリと伸びて立派なお若いお身体に…もやもやもやとして見えなかったお顔も明らかにハリのあるお肌になり…やっぱり見えないけど多分はんさむ。
来ていたお着物の袖をたすき掛けで捲ると、ヤギさんとご一緒に大首のお肉を除け始めた。

『イケメン…かどうかやっぱ分からんけど、オーラがイケメン?』
『これも化けてるってこと?』

『おお、お帰りやす。助かったわ。…え?モモさんが変わった?俺もどれがほんまのモモさんかは知らん。初めて会うた時はこの姿やったけど…中身はおっさんよ?野球がやたらに好きやから俺が若い時はこの姿でよぉ球場まで連れてった。』

お父さん車椅子を大首のそばまで動かしながら笑った。


《徳利…何処ヤッタ…?俺ノ…。》


だれたお肉の塊が呟く。
僕は流れるお花の向こうに思わず訊いた。


……あなたはだぁれ?
タヌキチのフリをしてるあなたは本当はだぁれ??


僕のお声にピクリとお肉が反応を示した。

《…たぬきちヤ。オ前ラニバラバラニサレタシ仕返シニ来タッタ。》

ううん。タヌキチはやっぱり浄められたんだよね?トックリに入ってたアマザケ、タヌキチが最後に飲んだあのアマザケの匂いなの。
あなたはタヌキチがツクモガミさんとして消える直前にそのお力を封じ込めちゃったんじゃないかしら。

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作者名:みあん | 作成日時:2022年11月27日 0時

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