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『ったく!馬鹿!!』

呟いたヤギさんが大首に駆け寄り、何をするかと思いきや……ん?動かない?
いや、握った拳から人差し指と中指を立て、親指をお口に当ててお口をモゴモゴ…何だろ?
ヤギさんが草を食べてる時みたいに、お口のあちこちが動いてる。

《むふふ。馬肉馬肉〜……ン?顔痛イ…。》

同じようにお口モゴモゴしていた大首が、窓枠ごとお首を傾げる。


ボンッ!


急に大きな音がした。

ボンッ、ボンッ、ボンッ!!

何かが爆発しているような、遠くの打ち上げ花火のような深く短い響きが何度も聞こえる。
その度に大首もボンボンボンと弾むように振動した。

ウィ〜〜〜ン、ビシュッビシュッビシィ〜ッ!
ドシューーーーーーーンっ!!

何処から聞こえるのか分かんない機械音……それに合わせてあちこちビリビリドコドコと痙攣する大首は踊ってるみたいです!

《ナ、何ヤ?攻撃サレテヘンノニ…クッ…鋭イ痛ミガ…グゥ…ッ?!!》

何も触れていないのに!!
おっきな頭が左右に振られ、頬が勝手にももくれ上がり、顎は下がったり上がったり。
早くなっていくリズムと様々な音に合わせて大首のお顔が変形する様は、まるで音に強く殴られているかのようだった。


『これって…ボイパ?』
『ヒューマンビートボックス…あの人、超音波出して攻撃してんのか。』

ガヤさんとキタヤマさんの声に桃さんが笑う。

『ぼいぱやらひゅうまんナンチャラは知らぬがよ、白沢は出す音を口の中で増幅させ、その気の震えを集めて相手にぶつけることができるらしいよ。面白い戦い方よのう。
ああ、お前たちも《たま護り》を継ぐなら、《たま》に引き寄せられてきた守護獣やアヤカシを仲間にせねばいけないよ?
まぁ既になかなか数は集まってはいるが、人間の身体に入り込んだ記憶では完全に力を使いこなすのは修行が必要よ。それまでは他に強いアヤカシの力も借りたほうが良いよの。』


そうだ!!さっきモモさんは《守護獣だらけ》と仰ってた。
ミヤタさんの中のリュウさんと、センガさんの中の何か以外にも守護獣さんの記憶が溶け込んでる人がいるってことかしら!?


ガヤさんは恐る恐るモモさんに訊ねた。

『…あのう、《既に集まって》ると仰いますが、俺たち全然アヤカシの勧誘とかしてませんけど…?』

『おや。だって龍に虎に鳥に亀に…なんだよタマモリ。こやつらまだ知らぬのかよ?』

驚いたお声のモモさん…いやいや、驚くのはこちらです!
トラさんと鳥さんとカメさん〜??

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作者名:みあん | 作成日時:2022年11月27日 0時

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