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うちの人たちも、トシコさんの中にまだ消え残る想いと新たに湧き上がっている穏やかな想いにじっとお耳を傾けてる。
おずおずとお話を続けるトシコさんを見守るみんなは、本当にシラユキ姫さんを見守る7人の小人さんみたいだね!


『あ、いや、な、なので…あの…告白していただけて嬉しいです。ありがとうございます。
で、え〜と、その…こんな言い方ズルいかもしれませんけど……多分私、このままだと蔵田さんを好きになるんだろうなって思ってます。
もっと私に自信がついて、彼が頭をよぎらなくなって、タマがいいよって言ってくれたら…。それまで待っていただけませんか??』


つっかえながらも、ちゃんと今のお気持ち言えたね!
初めてお会いした頃より、ご自分の意思を伝えるお力が出てきたトシコさん。

…お言葉は形のないもの。されど、お言葉は形を作っていくもの。
トシコさんは今、しっかりとご自分のお言葉でクラタさんとの関係を形作ろうとしてる。


『…真摯に向き合ってくれてありがとう。俺、恋してないと死ぬってタイプじゃないから、かなり余裕ある。でもさ、絶対無理とか、めんどくさいなら早く言って?友だちに戻れる間なら…カードバトル仲間は失いたくないし、ストーカーだとは思われたくないしさ。』

クラタさんは嬉しそうに微笑んだ。

『はい。』

はにかむトシコさんは頷き、俯いてもじもじとかあでぃがんの裾を弄ってます。
既に甘い香り漂うお2人には、そんな沈黙のお時間さえ恋を育てる為のお時間みたい。


……でも、ニカさんは何も言わなかった。
千賀さんがニカさんを見ていたけど、やっぱり何も言わなかった。
みんなが何も言わずにただ笑顔でトシコさんと蔵田さんを見ているのは、ニカさんの切なさも感じているから。

僕はといえば、そうっとネコタマさんを見ていた。
ネコタマさんはそこに立ち尽くして、ただお2人を見つめてる。

………何故だかふと感じた。
ネコタマさんが消えてしまいそう。

僕は思わずネコタマさんに駆け寄って、ぴったりおしりをくっつけておすわり。


《……トシコは俺のもんだ。》

うん。そうだよ?だから、あなたはトシコさんとクラタさんを試したんでしょー??やっと分かった。

《……だって、俺も一緒に生きてける人じゃないと。【もうお付き合いなんか一生しない。タマがいればいい】ってトシ子が言ってたんだもん。だけど、俺はトシ子をずっと守ってやれないし。
トシコの為ならにゃんでもする…嫌われてもいい。》

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作者名:みあん | 作成日時:2022年11月27日 0時

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