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ドンブリとトリプルタマさん。 ページ1

『く、蔵田くん…どうしたのっ!?』

ひとくふう荘にトシ子さんと現れたクラタさんを見て、ミヤタさんが二度見しました。
というか、全員がお口開けて唖然としてます。


ああ…クラタさん…こんなにボロボロに…。


1週間ぶりにお会いしたクラタさんは、想像以上にボロボロになってらっしゃいました。
お身体中が傷だらけでバンソウコウやがアザだらけ。てえぴんぐまでしてらっしゃるし、何故かお顔に青あざまで。

…でも一体何があったのか、僕たちはすぐに理解しました。




実はあの日、ひとくふう荘にトシコさんと遊びに来ていたクラタさん。
ミヤタさんとトシコさんがかあどばとるにいそしむお姿をこおひい飲みながら見守ってらしたのです。
ほのぼのまったり〜なかあどばとるのお時間を満喫してらしたはず。

…が、お散歩から帰ってきたネコのタマさんに予告もなく、いきなりはいじゃんぷからのあいあんくろうを浴びることに。


『…シャアァァァァァアッ!!』

『どわああぁぁぁぁあっ!?』

『た、タマっ!!?』
『ぅええっ!?なんでっ?』


リードなしで走っていったネコタマさんを追っかけて全速全力であすふぁるとをガリガリ引っ掻きながらふわふわのタマさんを引っ張り続けた末、なんとかひとくふう荘に辿り着いた僕のお耳に入ってきたのは、クラタさんの断末魔。

……遅かった〜っ!

後から聞いたお話によれば、バルコニーに佇んで中を伺うネコタマさんに気付き、ガラス戸を開けてあげた途端に、壁走りで天井まで駆け上がったネコタマさんがオニさんの形相で飛び掛かってきたそうな。
殺気を感じたクラタさんは咄嗟に避けたみたいだけど、着てらしたしゃつの腕が肩から袖口まで縦真一文字に裂けてたところを見ると、恐ろしい脚力…しかも薄っすら血が滲んでた!!


動物のお約束、《本気で命の奪い合いをする以外はまず威嚇から》…がなかったということは、どうやら本気でクラタさんを……?ブルブル。


『タマっ!!蔵田さんになんてことをっ。だ、大丈夫ですか?!えっ?血が…。』
『蔵田くん、とにかく傷を洗って…。』
『大丈夫、大丈夫ですぅ…けど、俺何かしたかなぁ?』

…ああ、やってしもたかーっ。

お耳からの中のご様子に、僕は思わずお目目を閉じる。


しかし、攻撃はまだ終わっていなかった…。
僕がバルコニーから見たのは、窓際のそふぁから今にも飛ばんとしてるネコタマさんが…!
リードが外れて、僕が中に躍り込んだ瞬間。

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作者名:みあん | 作成日時:2022年11月27日 0時

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