I need you！ (ページ35)

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One Pair Ⅵ T ページ35

『タマはメンバーの中でも一番長く一緒にいるんだよね…。』

宮田が自分のラジオ番組で、俺のことを言っている。

今日、俺の誕生日だからね。
メンバーの誕生日週には必ずその人の話して、そのソロ曲を流す宮田。

このラジオは、如何にアニメが素晴らしいか宮田が水を得た魚の如く楽しげに話すソロ番組。
一応話題はアニメ中心。宮田や俺らのグループのファンも聴いてくれるから、２０分でアイドル、アニメファン、そして３０代の１人の人間として喋る。丁度いいバランスを取るって難しいけど。それでも、どの層にも分かりやすく丁寧に話せるのは、本当よく勉強してるなって思う。

２０分とはいえ冠番組の１人ＤＪってスゴくない？ガヤもやってるけど。
キモいアニヲタ？いやいや、今ではアニメの番組持って、皆様に宮田王子と呼ばれている。いやはや出世したもんだ。ブリも真っ青ですよ。

最初の頃は俺の話も多くてさ、何話すかヒヤヒヤしてたの。録音だけどカットされないし。
俺が宮田のアソコを触ってくるとか話した時はさすがに叱っておいた。
最近は声優さんやアニメ関係の方との繋がりも多くなり、俺の話が少なくなってきて安心ってか、残念てか、まあ微妙なとこなんだけど。

で、今日は俺の誕生日とたまたまあいつのラジオの日が重なったから、まぁ絶対何かメッセージあるだろうなとは思ってた。

『これからもずっと一緒にいるんだろなぁ。』

という言葉の後に、俺が作詞した俺のソロ曲が流された。

………泣けってこと？
もう泣いてるけど。

もぉ！ずっと一緒に決まってんじゃん。
俺も雑誌で言ったけど、でも、今日は公の場で、ライター通さず俺に向かって言ってくれたから…。

運命なんて信じない。
そして変わらないものなんかない。

それでも、俺たちが一緒に歩き続けるのは確かな未来。
星降る青い月の夜から、俺たちが永遠に一緒にいることだけは決まってる。
お前だけだよ。必ず守るよ。

何回誕生日を迎えても、きっと同じ言葉を囁き合う。

《これからも一緒にいる》

それが、俺たちが創り上げてきた運命。

あ、ティッシュなくなった。
ここ、宮田ん家なんだけどね。しかも買い置きあるけど、メールした。

『ティッシュなくなった。買ってきて。』

しばらくして返信来た。

《ラジオ聴いてくれた？》

分かってるくせに。何でティッシュなくなったか。

『聴いたからなくなった。早く帰れ。』

素直すぎたかな？
……まあ、誕生日だしいいよね？

fin.