I need you！ (ページ24)

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One Pair Ⅲ T ページ24

『遠距離恋愛…耐えれるかな？』

久しぶりの７人でのラジオは、俺の出演しているドラマの主題歌である俺たちの新曲を宣伝できるスペシャル企画だ。
進行は俺。緊張するぅ！

でも、やっぱり７人は楽しい。最近はまた楽屋も別々になってきたから、みんなでたくさんお喋りすることも少なくなってきたしさ。
距離は遠めだけど…うん、楽しい。

で、メールテーマは『一生に一度の恋』。
そのメールは一度だけの遠距離恋愛についてだった。

『タマさんは耐えれないタイプ…。』
『耐えれな～い…。』

千ちゃんに言われて即答した。
宮田と遠距離？
出来なくはないかも。きっと宮田は俺の気持ちを大切にして、変に遠慮さえしなければ、なるべく連絡を取ろうとしてくれるだろう。俺も全力で想いを繋げ続ける努力をするはずだ。

でも、コロナ禍で思い知った。そこにいても触ることのできないやるせなさ。電話やリモートはできても、その体温を感じることができない切なさ。
それはどうしても埋められない虚しさとして心を傷め続けた。

『離れたくな～いってなっちゃう。』
『俺も離れたくな～い！』

宮田の顔見ながら甘え声で叫んだら、千ちゃんも乗ってくれた。困った顔の宮田。

年末年始だってお互い忙しすぎて会えなかったし、結構ストレス溜まったもんね。覚えがあるでしょ？

『宮田さん、如何がですか？』

ふと宮田にも訊きたくなって、思わず指名してしまった。

『えっ？俺？』

離れたくないって言え。俺と同じだって言ってよ。

『うん、ほんとに素敵なメールだね。』
『そうだね。』

あ、誤魔化した。
まあいいや。後でお家で訊きまくってやろ。

『俺も耐えられない、離れたくな～い！』

風呂上がりにソファで抱っこされて、ほっぺを擦り合わせる。俺は更に甘えたくなって宮田の両足の上に跨った。

『話は聞いてたのね？』
『聞いてたんだけどさー、遠距離ってあの頃と一緒だなぁとか思ってたら、上手く返せなかった～。』

あ、同じこと考えてた？

『ん。やっぱり体温は大事だな。遠距離だからって別れてあげられないけどさ。』
『ん、よろしい。』

余は満足じゃ。
俺だって離れてやんないもんね。

その日は、お互いに体温を分け合う喜びを素直に味わった。湯気の匂いと柔らかな唇に酔いしれながら。

こんなに近距離恋愛でも今だに心は分かんないことだらけ。
なるべく近くにいよう。この体温でちゃんと恋を感じていよう。

だから、あんまり耐えないでね？俊くん。

fin.