I need you！ (ページ3)

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Please Your Bet. Ⅱ M ページ3

朝まだ暗いうちに携帯のアラーム。

今朝はリモートで地方のレギュラー番組出演。
アニメ好きなディレクターさんが、俺の時間にアニメソングイントロ当てクイズを用意してくれている。
本当は行きたいんだけど、なかなか行けないんだよなぁ。せっかく俺なんかを起用してくれたんだから、少しでも役に立ちたいんだけどさ。タマもお世話になったし。でもこのコロナ禍のご時世じゃ、行ったら逆にご迷惑。
とにかく明るい笑顔を見せたいぜ。顔をマッサージして柔らかくしとこ。

終わったら筋トレして風呂。家にいたってブログに写真を載せたりするからね。まあ、これは入っておかなきゃ。
髪の毛オイリーで写真を載せようもんなら、すぐにタマからのお叱りのメールが来る。

この前、乾燥機から出したばかりのシワシワのＴシャツ着て、家で料理作ってるコーナーに出たんだよね。
オンエアと同時にタマから電話がかかってきて『袖～っ！』て怒られた。
幼い頃から身なりには気を遣いなさいと仕込まれたタマ。大体俺の部屋にいる時は、洗濯物畳んだりアイロン掛けてるし。

さて、風呂上がりにアイスコーヒー飲みながら、今日のアニメを見終わり、補足情報をネットで確認。
あ、この声優さん、新人さんだったのか。道理で、初めて聞く声だったわけだ。ちょっとタマに似た少年ボイス。

ぼやぼやしていると、時間はあっという間に過ぎる。オンライン英会話の時間だ。
タマは捗ってんのかな？今日は仕事って言ってたから、一緒に受けられなかったな。

お昼には、携帯のアラームが鳴って、次の予定を知らせてくれる。
あ、俺の家、掛け時計がないの。仕事以外は腕時計着けてるし、携帯あるからね。まあ、不便っちゃ不便。でも、タマが誕生日に買ってくれた、ちょっとお高めの腕時計で俺の時間が刻まれていくのが嬉しいから。

あ～、タマに会いたい。くそっ、何やっててもタマに繋がっちまうじゃねーか。

『俺のこと、恋しがってなさい。』

タマの言葉が脳裏を過ぎった。
バカなの？既に恋しすぎておかしくなりそうなんですけどね、こっちは。これ以上タマ不足が続いたら、俺はどうなるんだ。

昼の予定はすっ飛ばそう。今からタマを補充する。

昨日届いた嫁のドラマを観ながらソファに寝っ転がった。画面の中のお前を抱き締められない切なさに、更に胸が痛んだ。

よし、今日のブログには泣き顔を載せよう。あざといって？でも、それはあいつへのメッセージ。

『泣くほどお前が恋しいよ？』

fin.