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まるで魔法にかかったように、俺は無意識に本当の想いを呟いていた。
胸がぎゅーっと痛いほど掴まれている。
ああ、このクラクラは頭を蹴られたせいじゃない。鞍田くんのせいだ。クラクラ鞍田くんのクラクラ…。

…そうだ。ここまで来たら、最後まで確認作業しなきゃ。


『俺、鞍田くんのこと好きになっちゃった……鞍田くんが恋してるのって…俺、だと嬉しいんだけど。』


あ、また笑われた。

だけどすぐにもう1度唇が落ちてきて、優しく優しく唇を喰まれる。瞼を閉じて啄み返すと、キスしながらそっと髪を撫でられた。


『…ずっと、遼さんを好きでした。《ひと聞き惚れ》です。会えたらもっと好きになりました。
俺の《ツイテる》を褒めてくれたのはあなたが初めてだった… 仕事にも人間にも真摯に向き合う強くて優しいあなたが好きです。』


《ツイテるコ・パイ》はとっても嬉しそうに、またキスしてくる。


『…それからね?あなたの《イトオシイ》ところも…たまらん可愛くて…んふふ。』


じっくりと顔を眺められて恥ずかしいけど、俺もとくと鞍田くんの照れてる笑顔を胸に刻んでいた。

そんなに鞍田くんの性癖に刺さったなら《イトオシイ》も悪くねーな。
…いや仕事じゃ困るけど。



しかし、そんな甘い雰囲気も束の間、鞍田くんは、はたと思い出したように手を打つ。


『…あと、コレ、俺の携帯番号とアドレスとメッセージアプリの…渡したくてずっと用意してたんです。その傷も縫ってるし、抗生物質の点滴終わるまでは遼さん帰れないでしょ?1日3回朝昼夜は必ず状況教えて下さいね。
遼さんが日本に帰ってきたら、俺、しばらく住み込みますから。身体心配だし。遼さんの家が嫌なら俺の家に来てもらっても構いません。
あ、そだ。合鍵あります〜?なかったら作りに行かなきゃ。それと〜…。』


『は、はい……ぅえぇぇぇぇぇぇっ!?』


いきなり矢継ぎ早に繰り出される彼と俺の予定に思わず頷いていたけど……あ、合鍵って、一緒に住むってこと!?

て、展開早くねっ?!!


『だってガヤが…あ、移行訓練の仲間なんですけど、遼さんのこと相談したら、それは絶対《恋》なんだから、早くお互いの気持ちを確認して早く一緒に住むくらいまで持ち込まないと、男同士は色々躊躇して話が進まないんじゃないかって。

俺、ご飯作るの好きだし、洗濯とか掃除とかも大好きなんで家事はお気になさらず。忙しい時は当番制かな?
…ところで柔軟剤はラポンにしていいですか?』

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作者名:みあん | 作成日時:2022年9月13日 7時

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