ひとくふう荘４ (ページ9)

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ミヤタさんが汗だくになってきちゃった。
タマさんがそっとタオルで拭いてあげる。

『ありがと、タマ。』

ニッコリお礼を言うミヤタさんに、タマさんも照れてニッコリ。
タマさん、可愛いな。

その間に、キッチンではヨコオさんとガヤさんが夕ご飯の準備してる。
ニカさんたちはまた地下のお部屋に行ったみたい。

じっくりたっぷり、エステとマッサージをしてもらったお父さんは、なんだかスッキリ！

『ああ〜、若返った！天にも昇る心地や…。』

お顔の表情がハツラツとしてつるぴかりんな上に、お身体の動きも良くなったのかやたらぐるぐる振り回してます。
タマさんが、モシモシでまたお父さんのお顔をパシャっ。

『見てっ！？すっげぇ違うっっ。』
『どえええっ？保湿てすげ〜っ！裕太、今度来る時は保湿クリームと化粧水買ってきてくれっ！！』
『マッサージもあるんじゃね？むくみ取れてる…。』
『ヤダ、ハマりそぉ〜っ！』

キャピキャピでご自分のお顔に見入っているお父さん。
…………まぁ、なんだ。うん。
必要なんだよね。どんなことがお若い気持ちにするかはその人によっても違うけど。
長い巣ごもりから少しだけ開放されて、新しい…いや懐かしい自分に出会った喜びは、きっとまた格別なんだなぁ。

『さ、マッサージしたらお腹も空いたんじゃない？特製きのことナスのごま味噌ラーメン。じいちゃん、そろそろラーメン食べたいだろうって。あと、サバのオリーブオイル煮とお豆のサラダ。あんまり生野菜食べられないでしょ、ホームじゃ。』
『ラーメン！！美味そうやんか！いただきます。』

４人は、ラーメンを啜るお父さんをじっと見つめた。
お父さんはお汁も飲んでから、ひと言。

『美味いっ！こんな食べ方あるんやなぁ。』
『バターも一欠片入れていいでしゅか？香りとコクが出ますから。』

ラーメン好きなお父さん。ナマメンも好きだけど、お家の味は袋のインスタントやと楽しげに笑ってる。
見ていた４人も、ホッとしたようにニコニコだった。

お身体のめんてなんすと美味しいもの。
７人で一所懸命考えた、お父さんへの贈り物。
年齢もあるから…とか、伝染るご病気のこととか、足のこととか。たくさん悩んでお話してたの。
その甲斐あって、お父さん、気に入ってくれたみたい！！

……でもね、実はもうひとつ贈り物あるの。

さあ、ご飯食べたら少し休んで。
みんなの想いが詰まった大切な贈り物を、受け取りに行こうね、お父さん！