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『さ、タイムカプセル探そう。どこだっけ?秘密基地の下だよにゃ。確かど真ん中辺りに埋めて…。』
『目印は赤い棒じゃなかった?』

だけどぉ、やっぱり夜はお若い人の溜まり場になっているせいか、たくさんラクガキだらけで。ガヤさんたちの思い出とは少し勝手が違うみたいだった。
わざわざペンキ持ってきて塗るなんて変なの〜。お高いんでしょ、ペンキって。
みんなは、それぞれココかなという所を掘っては埋め、掘っては埋め始める。


そう言えばね〜、みんなはカントウの人だからスコップがシャベルなの。お父さんはお庭でタネを植えたりするちっちゃなのをスコップ、おっきくて足を掛けてお力を込められるほうをシャベルって言ってた!正しいのはお父さんのほうみたいなの。知ってた〜??

ん?どっちでもいい〜?
でも、全く知らずにおっきなのをスコップと呼び続けるか、違うと知ってて呼び続けるかではお気持ちが違うでしょう?

今、たいむかぷせるを探す7人の中にもその違いはあった。
ガヤさんとヨコオさんとニカさんとセンガさんの気分は《宝探し》。
キタヤマさんとミヤタさんとタマさんは《厄介なモノ探し》。
同じモノを探すなら、そりゃ楽しいほうがいいよねぇ。ただ知らずに手を触れるのも怖いけど。


僕もタマさんたちのお手伝い。変わった匂いのとこをガリガリ掘って…後は埋められなくてごめんねっ!タマさんが埋めてくれてます。てへ。
ん〜、かなり昔のお話だから、もうタマさんたちの匂いは消えているけれど……。


……あ、この匂いは?
錆びた鉄とお子様の匂いが濃い。

『……わんっ!』

パンダもどきさんのお顔の下ね?
僕がその下を掘り始めると、ミヤタさんがシャベルで大きく掘ってくれる。
カンッと金属の音がして、すぐに現れたのはお菓子が入っていたらしきおっきなカンカン。
色とりどりの綺麗なカンカンだったのだろうけど、今は塗ってあったお色も剥げて模様の線だけが錆びて浮き出ていた。


『…あった!』

ミヤタさんの声にみんなが集まってくる。

『ドンブリのお手柄っ。』

いえいえ、まあ、それほどでも〜。エライ〜?


ミヤタさんがナデナデしてくれてる間に、タマさんが、カンカンの土を払ってパンダもどきさんの上に置いてくれたよ。


『スゲェ!ちゃんとあった!』
『ドンブリ、よく分かったな?連れてきて正解じゃん。』
『ミドリちゃんと連絡取れたらにゃあ。一緒に開けたいのに。』
『本当は20年後のあの日に集まりたかったけど…。』

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作者名:みあん | 作成日時:2021年11月12日 19時

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