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封じた?…《例の人》がしてくれたのかな。
どなたか分かんないけど。

《キタヤマの身体を借りて、私が行こうか?》

そのほうがいいかしら。キタヤマさんに訊いてみてもらえます?

《いいよ。…でもキタヤマは嫌がるかもしれないね。アレはどうやら7人にとても大切な記憶なようだから…自分の手でなんとかしたいのかもしれない。ダメなら違う手を打つよ。》

……ん〜と、僕、お願いしてばかりだね。キツネさんは僕に何かしてほしいことはないの?

《……ふふふ。ねぇ、お前は本当に可愛いね。私はお願いばかりされてきたから、あの時キタヤマにお願いして身体を借りただけでも満足だったのだけれど。私はお前とお話するのが楽しいのだよ?
ああ、そうだ。またお稲荷寿司でも持ってきておくれ。アレは美味しいねぇ。》

それもタマさんとミヤタさんのお返しじゃないかしら?僕はお返ししてないよ??

《そうかえ?それじゃあ……。》



無事に帰れたら、お礼したいな。キツネさんはとっても面倒見がいいひとだもの。いつも、優しくお話聞いてくれるし。
……僕の《お友だち》…なのかな?そう思ってくれてるといいな。《お友だち》なら、お互いお役に立ちたいもんね??

で、結局、キタヤマさんはキツネさんにお身体を貸すことをお断りしたみたい。
朝、キツネさんが言ってたの。代わりに頂いたのがあのお守り。



やがてお車は街を抜けて、少し寂しい山の中の公園に着いた。
ここに団地があったんですって。今はもう少し下のほうに移動してしまったみたい。団地があった頃はたくさんのお子様がここで遊んでたんだろうな。


『なつかしっ!ここだ!!』

ニカさんがお車を飛び出して、もう薄暗い公園に入っていく。一応街灯はいくつかついているから、白く照らされてはいるけど。きっとらいとが古いらいとなんだね。
中には、ベンチや何かの動物を模したこんくりいとの椅子…キツネさん?たぬきちさん?いや、パンダさん…のようで違うなぁ。
鉄棒やブランコは知ってる!神社の横の公園にもあるよ?あとは宙に浮いたハシゴと…おっきなやぐら…アレは何かしら。

『秘密基地もまだあるじゃん!』
『うわー、懐かしい。』

え?アレが秘密基地?お父さんが見てたテレビの秘密基地はゴゴゴゴッて金属の扉が開いて、中からろけっとが飛び出すんだけどなぁ??

『ジャングルジムの上に屋根付けて…っていうだけで、ワクワクするよな。子ども心くすぐるわぁ。考えた人天才。』

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作者名:みあん | 作成日時:2021年11月12日 19時

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