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『宮っちも肩が治るまでかなりかかったじゃん!』
………そしてミヤタさんは肩に負傷。僕の夢のお話と全く同じだ。夢…じゃなかったんだ。
夢の中の僕がミヤタさんを道案内して、アヤカシさんを噛んだの?
実際の僕は、まだ生まれてない時なのに??
まさか、本当に僕、時間を越えたのかしら!?
タマさんがみんなにコーヒーを淹れながら、懐かしそうにマネキネコさんを見る。
『俺、何かに脱がされて触られた。怖かった〜っ!』
『……タマ。』
ミヤタさんの心配そうなお顔に気付いて、くふんと恥ずかしそうに笑うタマさん。
『……でも〜、それからさ、ミヤが気を遣ってくれてさ、外じゃ、なるべくずっと一緒にいてくれるようになってさ……だから…その、俺としては……ラッキーだった、かも。』
『そ、そうなの??』
『…へへ。そうなの。』
おや、ミヤタさんまで恥ずかしそうにカーデガンのボタンをいじり出しちゃった。ぃやん。
『ラッキーって思ってくれてたんだ。…俺、迷惑かなぁって。あれから格闘技習いに行って筋肉ついたら、やっぱタマは更に女子にモテモテになってたから…邪魔じゃないかと。でも、またアイツがタマに何かしたらヤダし……。』
『…バーカ。』
今日は《恋人の日》だから、タマさん素直…。
あの頃には、もう片想いの両想いしてたのね。
可愛いねぇ。
『まぁ、アレからみんながやたらめったら鍛え始めたから怪我の功名ではあったかな。キックボクシングやら少林寺拳法やらブラジリアン柔術やら…やたら実戦力のあるやつ。』
『だって、なんかされるがままって…悔しかったし。』
『その後めっちゃ役には立ってる…つか、そう考えたら、俺たち厄介事に遭う件数多いわ。』
『お祓いしてもらったきゃら、もうないっ!…はず!!』
ヨコオさんのお言葉に、みんなは笑顔で頷いた。
僕は…僕はお祓いしてもらってないけど?
《みんなが幸せでありますように》
マネキネコさんに込められた7人の思いと記憶を感じながら考える。
誰が僕をあの時間に行かせたんだろ?
誰が僕たちをあのお宿に泊まらせたんだろ??
誰が僕とこの7人を会わせてくれたのかしら?
…うむぅ!!勿論、考えたってお答えなんか出てきませ〜ん!ま、いっか〜!!
ねぇ。それより僕のおやつまだですかーっ!?
タマさんの足に身体を擦り寄せおねだりしながら、僕は幸せの匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
fin.
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作者名:みあん | 作成日時:2021年10月26日 1時