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『あれ?ドンブリが緊張してる?』

ミヤタさん、鋭いっ!

『クマかなぁ?このキャンプ場は目撃情報ないけど、隣の山で出てるらしいから。アレ出しとこうかな、オオカミの尿。』

ガヤさんが慌てて待ったをかけた。

『タンマ!それ、すんごい匂いのやつ?ご飯食べてからにしない?』

オオカミさん?テレビで観たことはあるけど、オシッコ嗅いだことない!
ちょっと楽しみ…。


『あ、俺のテント立てたら俊くん手伝うわ。ちょっと待って。』
『ダメダメ!宮にやらせて。自分で試行錯誤しながら立てるのが楽しいんだから。』

何故かキャンプでは、ニカさんはやたらにすぱるたさんになるんだね〜。
ミヤタさん、四苦八苦してるけどね?

『簡単なやつだから、あんまり難しくはないはず。固定するロープ技術は教えるから。』


さっさと自分の準備を終えたニカさんが、ビデオカメラで悩めるミヤタさんを背中から撮影し始めた。

『初心者の分かんないとこもこれで分かるからいい素材だわ。』
『初心者の見本にすなっ!一応何度かしたことはあるんだけど、もう何年も前だから忘れてるって。…ガヤさんはマイテント持ってるんだもんね?』
『うん。最近行ってないけど、昔からよく家族で行ってた。親父が親父の威厳見せられる機会なんだよね、キャンプって。』

ガヤさんはずっと楽しそう。鼻唄歌いながら立てちゃった。


『で、バーベキューは……。』
『俺の信条はソロキャンプ。自分のご飯は自分で!あ、道具と材料はある。火の起こし方はどれにする?ファイアスターターでやってみる?まずは枯れ枝と杉の枯葉集めに行こう。水も取りに行くから。これが浄水器付きボトル…。』

張り切ってるニカさんに、ミヤタさんが申し訳なさそうなお顔になる。

『…ニカ、俺ペットボトルの水持ってきた。タマが持って行きなさいって。』
『俺も持ってきた。てか、俊くんとバーベキューしようと思って、ちゃんと用意してきたから大丈夫。今日はみんなでワイワイやろーぜ?』

『ええぇぇぇっ!!何それ?何いきなりラクしちゃってんの!!?』

えーと……ニカさん、初心者だからこそ優しくしたげないと、2度と来ないよ??



ま、とにかく火は起こしてみることになって、2人と僕は森の中へ。
僕はとにかく、たくさん身体を木に擦り付けながら歩く。なるべく高い場所にしなきゃ。

僕くらいの小さい生き物の匂いじゃ、逆に呼んじゃう??でも僕も雑食だし、お肉やお魚の匂いしたら少しは遠慮してくれるよね?

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作者名:みあん | 作成日時:2021年10月3日 15時

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