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『結局、タマは行けないの?』
『俺、朝からお仕事…ミヤが行くなら行きたいんだけど。早く終わったら…。』
『愛だな。』

タマさんとミヤタさんは顔を見合わせたけど、タマさんは慌てて言い訳し出す。

『ち、ちげーわ!ミヤが何かドジしないように見に行くだけだわっ。永久の3番バッター、考えすぎて時々めちゃくちゃ空振りするもん。』
『…自分で言ったけど、だんだん哀しくなってきたからやめてくれ…。』


…えーと、今日は《友だちの日》か。
時々タマさん2人いるのかと思うくらい、《友だちの日》と《恋人の日》では違うから、僕、感心しちゃう。つんでれタマさんもでれっでれタマさんもどちらも可愛いタマさんなんだけどっ。

ガヤさんが言うには、でれっでれタマさんが本来のタマさんなんだって。今まではつんでれを隠れ蓑にしてミヤタさんに絡みに行ってたから、熟練したつんでれだとか。

ミヤタさんはこのタマさんもアニメに出てくる女の子みたいで大好きらしい……不思議だけど面白い。一粒食べれば2度美味しいって感じかなぁ?


……あ、テーブルの下でタマさんからミヤタさんのお膝触った。ミヤタさんはくふんとお鼻を鳴らして微笑む。
つんでれでも、ちゃんと2人だけに分かる《ゴメンなさい》してるんだね!エライエライ。


『あ〜っ!分かんね〜!!今日はやめっ。』

頭をブンブン振ったニカさんが、グラスに残っていたお酒を全部飲み干してパズルをしまい出した。センガさんは大笑い。
《そちゃの子ハイハイ》は、もういいみたい。




『はい、これが宮の分のテント!』
『えっ!?俺が自分でやるの?』

お家から1時間くらい車で走った山の中。
キャンプーっ!知らない場所楽しいーっ!


わぁ、いろんな匂いがするぅぅ〜っ!
木や葉っぱや土の濃い匂い、流れてる水の湿った爽やかな匂い、いろんな生き物の匂い〜。
少し雨の匂いもするから、夕方から降るかも?

僕がお散歩行く神社も似てる匂いなんだけど、あそこはもっと人間のお手手の匂いがする。きっとここは人間が多くはないんだなぁ。
それに、匂いの範囲がとっても広いの!
どこまで嗅いでもこの土の匂い。アスファルトの匂いがしない。ワクワク〜!


ん?この匂いはたぬ吉さん。でもこっちは何だろ?
知らない生き物の匂い……!?
しかも木の幹の、僕より背の高い場所から…かなり大きな生き物もいる。しかも雑食だ。

……お、お会いしないことを祈ります。
僕も人間も美味しくないですよぉっ!!

3→←落ちないドンブリ。



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作者名:みあん | 作成日時:2021年10月3日 15時

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