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…あ。でね、でね!今日のお話していい!!?

シセツの人が《りはびり》の方法のひとつとして、りもおとじゃなくて、直接家族と会える日を作ってくれたんです。
でも、週に1度だし、1日5人までって決まってて。たくさん家族と会いたい人がいるから、順番が回ってくるまでにかなり時間が掛かっちゃった。


それでも、会える!お父さんに会えるのっ!

大好きなお父さんのシワシワのお手手に抱っこしてもらって、ナデナデしてもらって、お耳引っ張ってもらって、ほっぺムニュムニュしてもらって〜……。
それからお父さんの匂いをいっぱい嗅いで、いっぱいペロペロ舐めちゃおう!グリグリお父さんのお腹に頭擦り付けて、僕の匂いも残してこなきゃ!

指をカミカミするのはやめたよ?僕、もうおっきいもんっ!でもちょっとくらいならいいかなぁ?軽くね?軽〜く!


『運転する?』
『いやいや、運転はタマでしょ!?』
『お前と行くと、俺ばっか運転なんだもん。』
『怒るからじゃんかよ〜。遅いとか駐車下手とかぁ。』
『やらないともっと下手になるぞ?ドラテク磨けって!』
『言われると焦るんだって!通勤には支障なく運転できるって!』
『…じゃ、どうぞどうぞ!』
『あ…………やられたわ。』


ということで、今日の運転はミヤタさん。
ハンドル握って、《あにそん》を聴きながらお歌の練習してる。
タマさんは後ろの座席でケージに入った僕を見てくれるんだって!

車の中から窓の外見るの好き〜。ケージの中だけど、少し窓も開けてくれてるから、色んな匂いの風が分かるの。
次から次へといろんな人やお家も追い越していくの、気持ちいいよね。


『空が青いね〜。』
『いい面会日和だね。』

タマさんは、ミヤタさんのお歌に合わせて身体揺らして、ミヤタさんが運転してる姿を斜め後ろからずっと眺めてたけど、そう言われて窓の外へ目を移した。

青いってどんな色??僕たちあんまり色は分かんないんだけど、みんなの見てる空とは違うみたい。それでも、今日の空気が爽やかで気持ちいいのは分かる。

うん、今日はいい日!!



シセツに着いて、タマさんは僕をケージから出しながらミヤタさんを褒めてあげた。

『駐車良かったんじゃない?スムーズだったじゃん。』
『え、ホント?良かったぁ。』
『んふ〜。帰りもよろしく!』
『…あ〜やられてるわ、俺。』

いいのいいの!そんなミヤタさんが可愛いんだもんね?タマさん!

3→←ドンブリ、飛ぶ。



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作者名:みあん | 作成日時:2021年10月3日 15時

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