ひとくふう荘 (ページ13)

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ドンブリとカミナリ様。ページ13

ふあ〜あ……眠いでしゅ〜。

クーラー入れてくれてるから、涼しいの〜。薄いカーテンも引いてありましゅ〜。その上扇風機も回してくれたの〜。
気持ち良くて眠い〜。眠くて眠くてお目目が溶けそうでしゅ〜……。

ん？じゃあ、寝ればいいのにって？

それがね〜……。

…ダンダンドンッ、ダンダンドンッ、ダンダンドンッ！

ピャーッ、ピャララララララッ！

プーププププ〜〜！！

ポロポロポロン、ポロポロ〜ン。

ジャカジャカジャカジャカジャカジャカッ！

………いや、寝れるか〜っ！！！

僕がこんなに眠いのに眠れない訳は、さっきから下で聞こえるこの音のせいなの。
タマさんの話では《ボウオンヘキ》にしてあるから、お外には聞こえにくいって。
でもね、下の大きなお部屋、今日は暑いからってドアが開けっ放しなんだよ？
お家の中には全部筒抜け。しかも、僕、耳がいいんです〜ぅ！！

まず、ダンダンドンッ！で、ビクッ！？
で、ピャーッ！プーッ！で、ビクビクッ！！
ポロポロ〜ン。で、……ん？？？
ジャカジャカジャカジャカ！で、きゃーっ！？

…って、なっちゃうのをさっきから繰り返してるの。
合間にお歌も聞こえるんだけど〜、《おー！》とか《へい！》とか《べいべー！》とか、僕の分かんない言葉がいっぱい。

今日のお昼寝は無理そうだなぁ…。

下の大きなお部屋はね、タマさんたちの音楽のお部屋なの。
地下というか、山の斜面を利用して一番下に倉庫があったのをお部屋にした。だから、木造２階建て、地下１階？っていう造りのお家なんだよ。

実は僕、そのお部屋行ったことない。
ご用がないし、美味しそうでもないし、階段に滑り止めがないから。
他の階段はタマさんとガヤさんが滑り止めを貼ってくれたんだけど、その階段は僕にはご用がないからそのままなんだよね。

大切な《がっき》があるから僕が悪戯しないように……って、失礼な！僕、もう子どもじゃないもん！！昔は歯が痒かったりして、よくスリッパや靴やテーブルの足とか齧ったりしたけどぉ。
ま、気にはなるけど、無理に行きたいお部屋ではないので。だって、ダンダンドンッ！ピャーッ！プーッ！ジャカジャカジャカジャカのお部屋なんだもん。お耳が痛くなっちゃう。

タマさんたちは小学校からの幼馴染なんだけどね、高校生から《ばんど》を作ってたの。キタヤマさんとガヤさんとヨコオさんが始めて、みんなが次々に誘われて。で、学校の部活がない日やお休みに道具を持ち寄って練習したりして。